歯髄由来間葉系幹細胞の移植片対宿主病抑制機構に関与するリンパ球亜集団の検討

2014 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 24592851
• 研究機関: 朝日大学
• 研究代表者: 高山 英次 朝日大学, 歯学部, 准教授 (70533446)
• 研究分担者: 近藤 信夫 朝日大学, 歯学部, 教授 (40202072) ; 川木 晴美 朝日大学, 歯学部, 講師 (70513670) ; 神谷 真子 朝日大学, 歯学部, 助教 (80181907)
• 研究期間 (年度): 2012-04-01 – 2015-03-31
• キーワード: 免疫・感染・炎症 / 移植片対宿主病 / 間葉系幹細胞

研究実績の概要

移植片対宿主病（GVHD）は古典的クラスⅠ自己認識抗原（MHC-class Ia）の違いにより引き起こされるTh1型免疫能による拒絶反応である。そこで、MHC-class Iaの異なるマウス2系統（C57BL/6, BALAB/c）から分離した脾リンパ球を混合培養した。このリンパ球混合培養に、MHC-class Iaが一致する、または異なる3系統（C57BL/6, BALAB/c, C3H/HeN）それぞれから分離した脂肪組織由来間葉系幹細胞（MDSC）を加えた。混合培養リンパ球とのMHCの一致・不一致とは関係なく、MDSCはTh1サイトカイン・インターフェロン-γ（IFN-γ）の産生を抑制した。これら3系統のMHC-class Iaは異なるが、非古典的クラスⅠ自己認識抗原（MHC-class Ib）は一致している。そこで、C57BL/6およびBALAB/由来リンパ球混合培養に、MHC-class IaおよびMHC-class Ibを欠損したβ2-ミクログロブリン・ノックアウト（β2-mKO）C57BL/6系統マウスから分離したMDSCを加えた。ところが、β2-mKOマウ由来のAMSCもまた、IFN-γの産生を抑制した。間葉系幹細胞の免疫抑制能はMHC-class Ibによるものであるという報告もあるが、AMSCリンパ球混合培養による移植拒絶モデルのIFN-γ産生抑制能はMHC-class IbによるものでもMHC-class Iaよるものでもないことが確かめられた。

研究成果

• [雑誌論文] Producing Capabilities of Interferon-gamma and Interleukin-10 in Peripheral Blood from Oral Squamous Cell Carcinoma Patients. (2015)
  • 著者名/発表者名: Naganawa K, Takayama E, Adachi M, Mitsudo K, Masaki Iida3,#, Masako Kamiya-Mizuno1, Yasunori Muramatsu2, Nobuo Kondoh1, Harumi Kawaki1, Iwai Tohnai3, Masao Ichinose4, Shin-Ichiro Sumitomo2, Masayuki Motohashi2, Michio Shikimori2, Kondoh N.
  • 雑誌名: Open Dent J 巻: 34 ページ: 120-124
  • DOI: no
  • 査読あり
• [雑誌論文] Increase of Peripheral Blood CD57+ T-Cells in Patients with Oral Squamous Cell Carcinoma. (2014)
  • 著者名/発表者名: Iida M, Takayama E, Naganawa K, Mitsudo K, Adachi M, Baba J, Fujimoto-Muto M, Motohashi M, Mizuno-Kamiya M, Kawaki H, Kioi M, Ichinose M, Sumitomo S, Muramatsu Y, Shikimori M, Tohnai I, Kondoh N.
  • 雑誌名: Anticancer Res 巻: 9 ページ: 5729-5734
  • DOI: 10.2174/1874210601509010120
  • 査読あり
• [学会発表] マウス口腔扁平上皮癌による脾細胞サイトカイン産生能の調節 (2014)
  • 著者名/発表者名: 稲垣俊弘, 神谷真子, 川木晴美, 髙山英次, 足立充隆, 足立 誠, 本橋征之, 村松泰徳, 近藤信夫
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-10-25 – 2014-10-27
• [学会発表] マウス口腔扁平上皮癌の進展により脾細胞サイトカイン産生能は異なる制御を受けている (2014)
  • 著者名/発表者名: 足立充隆, 神谷真子, 川木晴美, 髙山英次, 稲垣俊弘, 足立 誠, 本橋征之, 村松泰徳, 近藤信夫
  • 学会等名: 第73回日本癌学会学術総会
  • 発表場所: 神奈川県横浜市
  • 年月日: 2014-10-25 – 2014-10-27
• [学会発表] Suppression of transformed ohenotypes by SPRR1B is associated with the down-regulation of lysophosphatidic acid receptor 3 (2014)
  • 著者名/発表者名: Kameyama Y, Takayama E, Kawaki H, Mizuno-Kamiya M, Yashiro K, Kondoh N
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: Taipei, Taiwan
  • 年月日: 2014-10-21 – 2014-10-26
• [学会発表] 象牙質顆粒の骨補填材としての機能評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 小栗健策, 川木晴美, 田中雅士, 森 春菜, 神谷真子, 河野 哲, 髙山英次, 吉田隆一, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] 象牙質・幹細胞凝集複合体を用いた歯周組織再生療法 (2014)
  • 著者名/発表者名: 田中雅士, 川木晴美, 小栗健策, 森 春菜, 神谷真子, 髙山英次, 河野 哲, 近藤信夫, 吉田隆一
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] α-TCP/Te-CPセメントの培養歯髄由来幹細胞に対する親和性の検討 (2014)
  • 著者名/発表者名: 長谷川智哉, 川木晴美, 神谷真子, 河野 哲, 髙山英次, 土井 豊, 玉置幸道, 吉田隆一, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] MAPK経路を介した炭酸含有アパタイト焼結体の骨芽細胞増殖分化における作用の解析 (2014)
  • 著者名/発表者名: 近藤雄三, 川木晴美, 髙橋 潤, 大崎公資, 神谷真子, 髙山英次, 土井 豊, 永原國央, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] 炭酸含有アパタイト多孔体による骨様硬組織誘導能の評価 (2014)
  • 著者名/発表者名: 髙橋 潤, 川木晴美, 近藤雄三, 大崎公資, 神谷真子, 髙山英次, 土井 豊, 永原國央, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] マウス口腔扁平上皮癌と間質細胞による脾細胞インターフェロンγ産生能の調節 (2014)
  • 著者名/発表者名: 稲垣俊弘，神谷真子，川木晴美，髙山英次，村松泰徳，近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] マウス口腔扁平上皮癌細胞株の形質の違いが宿主の抗腫瘍免疫機構に及ぼす影響 (2014)
  • 著者名/発表者名: 足立充隆, 神谷真子, 川木晴美, 高山英次, 稲垣俊弘, 村松泰徳, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27
• [学会発表] チタン基盤への真空紫外光照射がヒト骨髄由来間葉系幹細胞の活性に及ぼす効果 (2014)
  • 著者名/発表者名: 新谷耕平, 川木晴美，神谷真子, 髙山英次, 堀田正人, 土井 豊, 近藤信夫
  • 学会等名: 第56回歯科基礎医学会学術大会・総会
  • 発表場所: 福岡県福岡市
  • 年月日: 2014-09-25 – 2014-09-27