研究課題/領域番号 |
24592855
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研究機関 | 福岡歯科大学 |
研究代表者 |
湯浅 賢治 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (40136510)
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研究分担者 |
香川 豊宏 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (00258592)
三輪 邦弘 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10136509)
筑井 朋子 (白石 朋子) 福岡歯科大学, 歯学部, 助教 (80580472)
谷口 邦久 福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)
小川 和久 福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (90105726)
堀尾 千佳 福岡歯科大学, 歯学部, その他 (20636584)
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キーワード | 悪性腫瘍 / 超音波検査 / CT / MRI / 血流動態 |
研究概要 |
本年度は以下の事項にについての研究を行った。 1.舌悪性腫瘍辺縁像の定量分析。舌悪性腫瘍の浸潤様式を術前に把握することは、治療法の選択と予後の評価において重要ことである。そこで、舌悪性腫瘍10例の術前口腔内超音波像における舌癌辺縁を乳癌用に開発されたコンピュータ支援システム(CAD)を応用、改変して定量的に分析し、不規則度と腫瘍の浸潤様式との相関について解析を行った。その結果、口腔内超音波検査法で舌悪性腫瘍の浸潤様式が予測できる可能性が示唆された。また、舌悪性腫瘍内部および周辺の超音波ドプラ像を用いることにより、さらなる浸潤様式の予測の正確性を向上させるかの解析を行っている。 2.悪性唾液腺腫瘍のCT、MRI,超音波画像所見の解析。CT、MRIまたは超音波検査を行い、悪性唾液腺腫瘍の病理組織診断がおこなわれた15例を対象とした。CT、MRIおよび超音波画像において以下の所見の分析を行った。CT:腫瘍の骨破壊の状態、MRI:1) T1強調画像、T2強調画像における信号強度 2)apparent diffusion coefficient value(ADC値)3)time intensity curveの形態、超音波画像:1)内部エコーの状態 2)腫瘍内部の血流。以下のような結果を得た。1)腫瘍による骨破壊が認められた。2)T1強調画像、T2強調画像ともに低~中程度の信号強度を呈する症例がほとんどであった。3)ADC値は0.8~1.3×10-3 mm2/sであり、1.0×10-3 mm2/s前後の値を呈するものが多かった。4)急増漸減や急増プラトーのtime intensity curveを呈する部分を有する症例がほとんどであったが、腫瘍の部位によりtime intensity curveの形態が異なっていた。5)内部エコーは均一であり、腫瘍内部の血流が多い傾向にあった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超音波ドプラ法による頭頸部悪性腫瘍の診断基準の解析を行っているが、超音波ドプラ法による血流動態や分布については、研究の仮説にほぼそうものであるとの印象であり、おおむね順調に進展している。ただ、血流分布の定量化についてさらに研究を進める必要がある。
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今後の研究の推進方策 |
上記の現在までの達成度でも記したように、超音波ドプラ像における腫瘍内外の血流動態、血流分布の定量化を進めてゆく。また、超音波ドプラ法以外の画像検査の所見との関連性についても定量分析をさらに進めてゆく。
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次年度の研究費の使用計画 |
消耗品の病理組織検査関連器具および薬品の使用およびが研究打合せの旅費等が当初の計画より下回ったため。 計画とおりに病理組織検査関連の解析を進めるとともに、これまでの研究成果の表および専門家との研究打合せをさらに行う。
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