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2013 年度 実績報告書

口腔癌リンパ節転移での腫瘍細胞・リンパ管の相互作用機序とその抑制へのアプローチ

研究課題

研究課題/領域番号 24592856
研究機関福岡歯科大学

研究代表者

谷口 邦久  福岡歯科大学, 歯学部, 教授 (90105685)

研究分担者 大野 純  福岡歯科大学, 歯学部, 講師 (10152208)
キーワード癌幹細胞 / 口腔扁平上皮癌 / 転移 / ALDH1
研究概要

口腔扁平上皮癌 (OSSC)は多様性であり、癌幹細胞とそれ以外の分化傾向を呈する細胞群から構成されていることが知られている。これらの細胞群の中で、癌幹細胞は自己複製能および多分化増殖能を有し、再発および転移などの腫瘍としての悪性度に関与することが報告されている。したがって、口腔扁平上皮癌のリンパ節転移機構の解明においても、癌幹細胞の動態を把握する必要がある。そこで、本年度は口腔扁平上皮癌における癌幹細胞の動態を、近年癌幹細胞のマーカーとして注目されているALDH (aldehyde dehydrogenase)を用いて、臨床病理学的ならびに培養細胞を用いたin vitro実験により検討した。ALDH1抗体を用いた組織標本での免疫組織化学的検索では、染色性からOSCCはALDH1 high群とALDH1 low群に分けることができた。臨床病理学的検索により、ALDH1 high群は再発に相関性があることが明らかとなった。この結果は、ALDH1陽性OSCC細胞は、治療抵抗性に関与することが示唆された。そこで、OSCC細胞を用いて、抗がん剤であるシスプラチン刺激(Cis)に対するOSCC細胞の動態を検索した。その結果、Cis抵抗性OSCC細胞群では、ALDH1陽性率が増加することが明らかとなった。さらに、これらの細胞では、invasion assayから浸潤能の亢進およびcancer sphere formation assayからsphere形成能の亢進が確認された。これらの結果は、ALDH1発現を示すOSCC細胞は、癌幹細胞としての性状を保持していることが示唆された。すなわち、OSCCにおいても癌幹細胞が治療抵抗性に関与し、再発および転移に関与する可能性が推測された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2014 2013

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (5件)

  • [雑誌論文] In vitro and in vivo expression of aldehyde dehydrogenase 1 in oral squamous cell carcinoma2014

    • 著者名/発表者名
      Ota N, Ohno J, Seno K, Taniguchi K, Ozeki S
    • 雑誌名

      Int J Oncol

      巻: 44 ページ: 435-442

    • DOI

      10.3892/ijo.2013.2188

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Dynamic changes in cell-surface expression of mannose in the oral epithelium during the development of graft-versus-host disease of the oral mucosa in rats2014

    • 著者名/発表者名
      Hanada H, Ohno J, Seno K, Ota N, Taniguchi K
    • 雑誌名

      BMC Oral Health

      巻: 14 ページ: 5

    • DOI

      10.1186/1472-6831-14-5

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Lupus-like oral mucosal lesions in mercury-induced autoimmune response in Brown Norway rats2013

    • 著者名/発表者名
      Seno K, Ohno J, Ota N, Hirofuji T, Taniguchi K
    • 雑誌名

      BMC Immunol

      巻: 14 ページ: 47

    • DOI

      10.1186/1471-2172-14-47

    • 査読あり
  • [学会発表] ConA誘導オートファジーによる口腔扁平上皮癌の抑制効果2013

    • 著者名/発表者名
      高口愛子、大野 純、瀬野恵衣、太田信敬、谷口邦久、大関 悟
    • 学会等名
      第58回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [学会発表] 治療抵抗性口腔扁平上皮癌におけるALDH1発現の意義2013

    • 著者名/発表者名
      太田信敬、大野 純、瀬野恵衣、谷口邦久、大関 悟
    • 学会等名
      第58回日本口腔外科学会総会
    • 発表場所
      福岡市
    • 年月日
      20131011-20131013
  • [学会発表] オートファジー制御によるcancer sphere形成能2013

    • 著者名/発表者名
      瀬野恵衣、大野 純、太田信敬、廣藤卓雄、谷口邦久
    • 学会等名
      第24回日本臨床口腔病理学会総会
    • 発表場所
      東京都
    • 年月日
      20130827-20130829
  • [学会発表] オートファジー制御による口腔扁平上皮癌細胞の動態2013

    • 著者名/発表者名
      大野 純、瀬野恵衣、太田信敬、谷口邦久
    • 学会等名
      第102回日本病理学会総会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      20130605-20130607
  • [学会発表] エナメル上皮癌と癌腫に類似像を含有するエナメル上皮腫の2例2013

    • 著者名/発表者名
      太田信敬、大野 純、瀬野恵衣、丸尾直樹、榎規雄、岡村和彦、谷口邦久
    • 学会等名
      第102回日本病理学会総会
    • 発表場所
      札幌市
    • 年月日
      20130605-20130607

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公開日: 2015-05-28  

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