本研究の目的は,象牙質・歯髄複合体の修復再生過程における歯髄組織幹細胞/前駆細胞の動態と象牙芽細胞への分化機構を解明することである。直接覆髄後早期に,M2マクロファージが集積すること,また非コラーゲン性タンパク(osteopontin,dentin matrix protein 1)が沈着することが示された。一方,α-smooth muscle actin陽性細胞が露髄部に出現し,その後象牙芽細胞様細胞に分化する可能性が示唆されるとともに,この過程にfibrillin-1の分解を伴うことが明らかにされた。
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