研究課題
本研究は歯科治療中の患者の不快感を効果的に軽減させる歯科騒音低減デバイスの開発をめざし、気導のみならず骨導に対するアプローチを試みるものである。対策を講じるために、耳からきいている気導音と歯から骨を伝わる骨導音との間にどのような音響特性の違いがあるか、ターゲットとする周波帯域を明らかにすることが重要である。そのために本年度は、前年度に試行してきた気導および骨導音計測システムを完成させ、歯から伝わる気導音および骨導音の同時測定を試み研究をすすめた。歯ぎしりするという自覚がある被験者の協力を得て気導音および骨導音の計測を行った。被験者の頭部45センチの距離に気導マイクロホンを、頬部および正中前額部に骨導用の試作マイクロホンを設置した。仰臥位で歯をカチカチとかみあわせるタッピング音および歯ぎしり音の測定を試み、データステーションに収録後、音響解析ソフトを用いて解析を行った。タッピング音や歯ぎしり音では、気導波形から確認することができない小さな音圧レベルの音であっても、骨導では一音0.01秒単位で咬合音などが確認できた。開発した計測システムにを用いることで骨導伝搬波形を明瞭に記録することが可能となった。さらに、得られたデータの解析により、骨導においては気導と比較して減衰が少なく高周波成分も伝搬することがわかった。それぞれの伝搬音の特徴から今後対策を取るべき帯域を推定することができた。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (3件) (うち謝辞記載あり 3件、 査読あり 1件) 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件)
日本音響学会2015年春季研究発表会講演論文集
巻: CD-ROM ページ: 805-806
日本音響学会2014年秋季研究発表会講演論文集
巻: CD-ROM ページ: 679-680
Proceedings of International Congress on Noise Control Engineering
巻: online/USB ページ: 152-157