研究課題/領域番号 |
24592866
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
大原 直子 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (80301365)
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研究分担者 |
吉山 昌宏 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (10201071)
大原 直也 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (70223930)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 根面う蝕 / う蝕誘発モデル / う蝕細菌 |
研究概要 |
本研究は、根面う蝕の進行機構の解明および試験管内における根面う蝕誘発モデルの確立を目的としている。 本年度は第一段階として、口腔連鎖球菌の菌種および培養条件の相違が初期根面う蝕の誘発に与える影響を検討した。口腔連鎖球菌としてStreptococcus mutans、Streptococcus sobrinus、 Streptococcus salivarius、Streptococcus sanguisを用い、スクロース含有BHI培地にて調整した菌液への浸漬により歯根象牙質人工う蝕の誘発を試みた。その結果、スクロースの添加が細菌の糖代謝を促進し、添加濃度は1%以上で同様の効果を得ることができる可能性を明らかにした。う蝕誘発能は、酸産生能および耐酸性の高い菌種で高いことがわかった。また、根面う蝕は細菌により産生される酸による脱灰とともに、マトリックスメタロプロテアーゼによる有機質の崩壊が病変の進行に関与しているとされている。今回は、タイプIVコラゲナーゼを添加し、う蝕進行に対し影響を及ぼしていることを明らかにした。さらに、コラゲナーゼの至適濃度および作用機序について検討中である。 根面う蝕細菌としてActinomyces属の関与が以前より指摘されているものの、明確な回答が得られていない。Actinomyces naeslundii、 A. israelii、 A. viscosusによる根面象牙細管内への侵入や歯質の軟化についても検討を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、主に口腔連鎖球菌における根面う蝕の誘発および進行について検討を行った。菌種による相違を明らかにし、スクロースやコラゲナーゼの添加が人工う蝕の進行に有効であることを明らかにした。
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今後の研究の推進方策 |
根面う蝕細菌を単独あるいは混合して根面上でバイオフィルムを作製させ、根面う蝕誘発モデルを作製する。感染させた菌の象牙細管内への侵入度、それらによって拡大された象牙細管径の増大率、歯質の変化の違いを形態学的に比較検討し、根面う蝕進行のメカニズムを解明する。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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