研究課題
本年度はこれまで用いてきた試作義歯洗浄器に比べLED光量が高く、また水温コントロールも可能な新規試作義歯洗浄器を用いた義歯洗浄方法の検討を行った。高齢者施設などにおいて、不特定多数の義歯を洗浄することを考慮し、口を密閉できるプラスチックバックに義歯を個別に入れて洗浄する方法から検討した。プラスチックバックを用いても洗浄器の使用が可能かどうか、また、プラスチックバックの大きさ、洗浄液の投入量等の検討を行った。義歯が1つ入る最小限の大きさの滅菌プラスチックバックを用意し、浮遊菌液の殺菌試験を行うことで基礎的検討を行った。殺菌試験では、テスト群は市販オキシドールを、コントロール群は滅菌生理食塩水を入れ、そこへ最終濃度1E+7 CFU/mLとなるように調整したStreptococcus mutansの浮遊菌液を入れ、プラスチックバックごと義歯洗浄器に投入した。洗浄液の温度は常温(21~24℃)で、超音波機能も併用せず、過酸化水素とLED照射のみの効果で評価を行ったところ、過去の基礎的データと同様に、過酸化水素(+)とLED(+)の群では3分以内に1E+5 CFU/mL以上の殺菌効果が認められた。プラスチックバックを用いて義歯洗浄器を用いても、十分殺菌効果があることが確認され、また、洗浄液自体の殺菌効果も高いことが期待できる結果が得られた。実際に現在患者が使用している義歯を使用する研究は倫理委員会への申請が必要なため、これらの結果と、前年度までに行った金属やレジンに対する物性評価の結果を踏まえて、臨床研究のための倫理委員会への申請手続きも同時にすすめている。
2: おおむね順調に進展している
殺菌力評価・洗浄液評価・洗浄方法の検討・安全性の評価という今年度までに行う予定であった項目はおおむね行った。
実際に患者が現在使用している義歯に対する評価は倫理的観点から未実施だが、次年度には実際の患者使用義歯を用いた評価を行う予定である。
次年度は臨床研究を行う予定であるため、少しでも使用額が大きい方が良いと考え、今年度の予算執行を必要最小限としたため。臨床研究を行う際の必要物品購入に充てる。
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