研究課題/領域番号 |
24592905
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
木野 孔司 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 准教授 (80143585)
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研究分担者 |
西山 暁 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 助教 (40359675)
戸辺 昌子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (20634273)
大友 奈津子 東京医科歯科大学, 歯学部附属病院, 医員 (30634258)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | sleep bruxism |
研究概要 |
睡眠時ブラキシズム(SB)は通常の睡眠中にも行われているパラファンクション(非機能運動)であるが,そのレベル(強度,頻度,持続時間)によっては顎口腔系に様々な障害をもたらす.しかし,汎用性があり多くの歯科医師が診療所レベルで使用可能なSBの測定・診断システムは存在せず,歯科医師個々の考えや知識によってSB への対応がまちまちである.本研究の目的は,患者自身が家庭で簡便に測定できる携帯型筋電図計を用いた一般臨床医のための『睡眠時ブラキシズム測定・診断システム』を確立し,歯科治療開始前のSB の存在を事前に把握することができるよう支援するシステムを構築することである. 本研究は2つの研究から成り立っており,研究1は信頼性,妥当性のある携帯型ブラキシズム測定・診断システムの構築であり,研究2は携帯型筋電図測定・分析システムを用いた種々のSB データの蓄積である. 平成24年度は研究1,すなわち携帯型筋電図測定・分析システムの信頼性ならびに妥当性を検証することが中心として実施した. 顎機能に問題がなく,智歯以外に欠損を有しない健常有歯顎者10名を被験者とし,携帯型筋電図測定・分析システム(装置A)および従来型生体アンプ(生体アンプ)をもちいて,SBをシミュレーションした運動(クレンチング,タッピング,グラインディング)とSB以外をシミュレーションした運動(会話,あくび,頭部動揺など)を行い,この時の筋電図を同時計測した. 実験により得られたデータを分析し,シミュレーションしたSBイベントの感度,特異度を求めた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究1については,,携帯型筋電図測定・分析システムの信頼性ならびに妥当性を検証することが中心であった.システムの信頼性については,シミュレーションしたSBイベントの感度,特異度が高く,通常の生体アンプとほぼ同等の生体活動を記録することが可能であることが示された. しかし,妥当性の検討として,睡眠実験室にてポリソムノグラフ(PSG)を用いて睡眠時ブラキシズムを測定すると同時に,装置Aによる測定も行い,実際のSBがどの程度過不足なく研修されているのかを確認してゆくことも予定していたが,PSG実験施設の使用の都合上,この実験については次年度に開始することとなった.
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度においては,平成24年度に実施する予定であった,PSGを用いたSB測定の妥当性検証のための実験を早急に実施する予定である. 信頼性,妥当性ともに確立されたのちには,研究2である携帯型筋電図測定・分析システムを用いた種々のSB データの蓄積を開始する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
PSGを用いた実験については,被験者を実験室に一晩拘束する必要があることから,協力してもらった被験者に謝金を支払う予定である.また,PSGデータの分析については,専門業者に依頼する必要があることから,この分析料も必要となる. 信頼性,妥当性が確立したのちに行う研究2については,多くの被験者に対する同時測定を行う必要があることから,測定装置の追加購入も必要となる.
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