呼気に含まれる香気量を鼻腔や口腔から測定することにより,口腔・咽頭残留量を評価する方法を考案した.まず被験者の口腔内に香料を保持させて口腔からの呼気に含まれる香気量を測定した.その結果,口腔内保持させている間,量依存的に香気量は上昇し,呼気からの香気量測定は口腔残留評価に有用であると考えられた.次に,香気量による咽頭腔内残留の推定を行った.被験者の咽頭内にそれぞれ0.2,0.4,0.6mlの試料を注入し,120秒間嚥下せずに口腔・咽頭内に保持し,その後嚥下するように指示をした.その結果試料が咽頭内に残留している間の香気量と咽頭残留量には,高い正の相関関係が見られた.
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