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2013 年度 実施状況報告書

咬合支持の喪失ならびにその回復と記憶学習との関連について-酸化ストレスの影響-

研究課題

研究課題/領域番号 24592913
研究機関岡山大学

研究代表者

原 哲也  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (60238160)

研究分担者 岡 森彦  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (90335612)
黒住 明正  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (20599790)
皆木 省吾  岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (80190693)
伊志嶺 知沙 (黒田 知沙)  岡山大学, 大学病院, 助教 (40581096)
キーワード記憶 / 咬合支持 / 酸化ストレス
研究概要

抜歯による咬合支持の喪失によって記憶学習機能が低下することは知られているが,そのメカニズムについては十分に解析されているとは言えない。酸化ストレスは老化危険因子として注目されており,記憶学習障害の発症に影響していることが報告されている。 本研究では,「咬合支持の喪失によって脳内の酸化ストレスが増加して記憶学習機能の低下を生じ,咬合支持の回復に伴いこれらも回復する」という仮説のもとに,咬合支持の喪失ならびにその回復と記憶学習との関連について行動学的に観察し,脳内の酸化ストレスを免疫学的,分子生物学的ならびに組織学的に検討することを目的とする。
本研究の行動学的実験には,暗室に進入した際に電気刺激を与えることによって,暗室への進入と痛みで恐怖を関連付けて記憶させる受動的回避試験を用いた。7週齢のラットの上顎6臼歯を抜歯し,義歯群には咬合支持回復のための義歯床を装着した。18週齢時から1日1回,電流0.8mA,刺激時間3秒の電気刺激を3日間与え獲得施行とした。4日後以降は電気刺激を与えることなく,1日1回の再生施行を5日間施行した。最終日の試行終了後に麻酔下で屠殺し,血液と海馬を採取した。酸化ストレスマーカーとして8-OHdG,TBARS,SODの計測を行った。受動的回避試験では4日後にはいずれの動物も300秒以上明室でとどまるようになった。抜歯群では7,8日後に,義歯群では8日後に対照群に比べて有意に短時間で暗箱に入るようになった。8-OHdGは抜歯群ならびに義歯群で対照群に比べて有意に高値を示した。また,抜歯群では対照群に比べてTBARSは有意に高値を,SODは有意に低値を示した。以上の結果から,咬合支持の有無による記憶学習には酸化ストレスが関与する可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

咬合支持の欠如に伴い酸化ストレスの増加と抗酸化ストレス物質の減少とともに記憶が低下し,咬合支持を回復することで,酸化ストレスが減少して記憶が回復したので,咬合支持の喪失による記憶の低下には酸化ストレスが関与する可能性が示され,目的の一部が達成された。

今後の研究の推進方策

海馬の組織学的な観察によって,酸化ストレスが海馬にどのように影響しているのかを免疫組織学的に検索する予定である。

次年度の研究費の使用計画

物品を予定より安く購入できたため未使用額が生じた。
H26年度分として請求した助成金と合わせて,H26年度に購入予定であった試薬を購入する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] 咬合支持の喪失が記憶学習と酸化ストレスに及ぼす影響2014

    • 著者名/発表者名
      宮﨑貴子,原 哲也,伊志嶺知沙,荒木大介,飯田祥与,清瀧優也,皆木省吾
    • 学会等名
      日本老年歯科医学会第25回学術大会
    • 発表場所
      電気ビルみらいホール
    • 年月日
      20140613-20140614

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公開日: 2015-05-28   更新日: 2015-06-16  

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