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2013 年度 実施状況報告書

紫外線によるアパタイトの高機能ナノバイオ界面制御法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 24592915
研究機関広島大学

研究代表者

阿部 泰彦  広島大学, 大学病院, 講師 (00253097)

研究分担者 平田 伊佐雄  広島大学, 大学院医歯薬保健学研究院, 助教 (40346507)
キーワード生体材料 / セラミックス / ナノバイオ / 表面・界面物性 / アパタイト / 紫外線
研究概要

ハイドロキシアパタイト(以下,HAP)は優れた骨伝導性を示すことから,現在,世界中で広く用いられている。しかし,HAPと骨の結合には時間を要し,その理由にHAPの生体界面における溶解性が挙げられる。我々は,既にHAPのリン酸溶液による生体活性化表面改質法を確立し,骨芽細胞の接着・増殖を活性化できることを報告した。一方,紫外線オゾン(以下,UV/O3)処理法は,セラミック系マテリアルにおいてナノレベルでの極めて高い洗浄効果を発揮すると言われている。そこで,HAPの生体活性化表面改質へのUV/O3処理の効果を分析し,UV/O3処理法の有用性を明らかにすることとした。30%リン酸溶液にて処理した表面改質試料(以下,HAP-30%PA)とコントロール(未処理)試料(以下,iHAP)を作製し,各種照射時間でUV/O3処理した。表面分析では,いずれの試料においてもUV/O3処理によるCa/P比の変化はないものの,コンタミ由来のCは処理時間に比例して減少し,本処理による洗浄効果が認められた。また,SEM像や表面粗さ(Ra)では,いずれの試料においてもUV/O3処理による変化は見られなかった。UV/O3未処理HAP-30%PAの接触角は,iHAPに比較し有意に小さい値を示し,HAP-30%PAのぬれ性は向上していた。また,いずれの試料においても,接触角は,UV/O3処理時間の増加に伴い漸減し,特に,処理1分から3分にかけて有意に減少した。さらに,HAP-30%PAの接触角は,処理3分以上で変化がないことを踏まえ,適正な処理時間の確定には,処理後のぬれ性の維持を考慮する必要があると考えられる。以上より,HAPの生体活性化表面改質へのUV/O3処理の洗浄効果とぬれ性の向上が明らかとなり,本処理法の有用性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

アパタイト表面への紫外線(185 nm,254 nm)作用メカニズムを解明した。現在は,リン酸処理したアパタイトナノ表面を紫外線で制御することで,骨芽細胞の動態への影響を解析しており,平成25年度の到達目標の2/3まで達成されている。

今後の研究の推進方策

紫外線によるアパタイトの高機能ナノバイオ表面改質法を確立し,臨床応用されているアパタイトにおける表面改質の普遍性を検証することで,紫外線によるアパタイトの高機能ナノバイオ界面制御法を開発する。

次年度の研究費の使用計画

研究計画に従って助成金を使用したが,購入物品の価格変動により次年度使用額を生じた。
研究計画は順調に遂行しており,翌年度の助成金の使用計画と合わせて適切に使用することができる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Bioactive surface modification of hydroxyapatite2013

    • 著者名/発表者名
      Abe, Y., Okazaki, Y., Hiasa, K., Yasuda, K., Nogami, K. Mizumachi, W. and Hirata, I.
    • 雑誌名

      BioMed Research International

      巻: 2013 ページ: 626452

    • DOI

      10.1155/2013/626452

    • 査読あり

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公開日: 2015-05-28  

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