かみ合わせの高さを標準よりも前歯で4㎜高くすることによって、食物を咀嚼して柔らかくする機能が低下し、また、舌が上顎にあたる圧力が低下し、唾液や水を喉の奥に送り込む力が低下した。一方、上の奥歯を標準より3㎜狭くすることによって、唾液を喉の奥に送り込む力が低下したが、咀嚼には影響がなかった。 以上のことから、義歯の形は咀嚼や嚥下に影響を与え、特に舌の機能が低下した後期高齢者では不適切な義歯によって食物を喉に送り込む力が低下し、誤嚥性肺炎のリスクが大きくなると考えられる。義歯を作成する時には、見た目や咀嚼だけでなく嚥下も考慮して義歯を設計することが重要である。
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