研究課題/領域番号 |
24592925
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (10189251)
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研究分担者 |
村上 格 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 講師 (80264448)
中村 康典 独立行政法人国立病院機構鹿児島医療センター, 臨床研究部, 研究員 (30315444)
加地 彰人 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (40550009)
田中 帝臣 鹿児島大学, 医学部・歯学部附属病院, 助教 (40613146)
長岡 英一 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (00028812)
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キーワード | 咀嚼機能 / 嚥下機能 / 食事分析 / 栄養評価 / 高齢義歯装着者 |
研究概要 |
本研究の目的は,高齢義歯装着者における咀嚼ならびに嚥下の機能状態に食事・栄養状態がどのように関連するかを明らかにすることである。5名の70歳以上の高齢義歯装着者の主観的ならびに客観的な咀嚼機能と嚥下機能の評価を同時に行ったところ,グミゼリー咀嚼による溶出糖量と咬合力計測からの咀嚼機能は,反復唾液嚥下テストならびにスワローイングキャパティテストの嚥下機能との対応関係は無かったが,咬合力と押しつけ最大舌圧との間には相関関係が認められた。しかし,被験者数の少なさの関係から,咀嚼機能と嚥下機能の対応関係パターン(咀嚼機能良好-嚥下機能良好,咀嚼機能良好-嚥下機能不良,咀嚼機能不良ー嚥下機能良好,咀嚼機能不良-嚥下機能不良)の分類はできていない。さらに,これまでの被験者においては,嚥下機能が明らかに低下したものは認められていない。しかしながら,現在のところ咀嚼と嚥下の両機能における関連パラメーターは咬合力と押しつけ最大舌圧であると考えられるが,筋力の強さの対応関係が表れているだけではないかと考えられる。 食事分析と栄養評価方法については,試作した献立・食事状況記録表を用いた記録と食事写真撮影による記録を被験者に依頼して行ったが,デジタルカメラによる食事写真の撮影が高齢者にとって困難な場合があり記録の欠落が生じた。栄養評価の概要としては,栄養分析による被験者間の有意な差はない状況である。 今後,被験者を増やしていく中で,グミゼリー咀嚼は筋機能が低下した被験者には検出力が弱い結果が得られているので,咀嚼が比較的容易な色変わりガムによる咀嚼機能計測と咀嚼時の唾液分泌量計測の追加を行う予定にしている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
食事写真による栄養分析も外部委託してきたが,委託先が業務を中止したため,新たな依頼先を決め,栄養評価項目のすり合わせ中である。また,食事写真の外来受診者において嚥下機能と咀嚼機能が低下した方を被験者として確保することに困難さがあることも遅れた要因である。
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今後の研究の推進方策 |
現在の外来受診者を被験者として依頼する場合は,被験者のグループ分けにおいて,咀嚼機能と嚥下機能の両方が低下した群あるいはどちらか一方が低下した群に区別することが難しいことが予想される。このため,施設入所の被験者に協力を求めることと咀嚼機能の評価項目と嚥下機能の評価項目の相関関係を調べる研究としても考慮する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
食事写真による栄養分析の外部委託が,委託業者の業務停止により執行できなかったため。 新たな委託業者にこれまでの食事写真の分析依頼を行うとともに,栄養分析ソフトを購入する。
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