研究課題/領域番号 |
24592926
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 九州歯科大学 |
研究代表者 |
正木 千尋 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (60397940)
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研究分担者 |
近藤 祐介 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (00611287)
中本 哲自 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (30514989)
細川 隆司 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (60211546)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 睡眠時ブラキシズム / 遺伝子多型 |
研究概要 |
補綴治療の失敗や歯冠修復物の破折などの誘因の一つである睡眠時ブラキシズムは精神的ストレスと密接な関係がある不随意運動と考えられている。また、精神的ストレスの感受性の指標として血小板における末梢型ベンゾジアゼピン受容体(PBR)が注目されており、さらにPBR遺伝子多型の解析からストレスに対する感受性を評価することが可能であると報告されている。そこでPBR遺伝子多型と睡眠時ブラキシズムの関連を明らかにし、PBR遺伝子多型により睡眠時ブラキシズムの診断と遺伝的リスクを診断することを目的とした。 まず、プラスチック製のアプリケーターを用いて左右の頬粘膜から口腔粘膜細胞を採取後、Phi29 DNA polymeraseによるゲノムDNAの増幅を行った。DNAの増幅後、0.6%アガロースゲルにて電気泳動を行い、DNAの増幅を確認した。次にPBR遺伝子エクソン4のコード領域の翻訳開始基から485番目の遺伝子の置換を検討することにより、多型の検討に用いた。具体的にはTouch-down PCR法を用いてPBR遺伝子領域の増幅を行った後、ダイレクトシーケンシング法にて遺伝子多型の同定(G/Gホモ型、G/Aヘテロ型、A/Aホモ型)を行った。被験者の選択基準としては欠損のない個性正常咬合であることとし、また除外基準としては睡眠障害および神経障害があること、歯科治療中であること、薬剤を服用していること、喫煙者であることとした。58名の被験者(男性30名、女性28名、平均年齢24.0歳)を検討したところ、G/Gホモ型は65.5%の38名、G/Aヘテロ型は31%の18名、A/Aホモ型は3.4%の2名であった。今後、各被験者の睡眠時ブラキシズムの有無、睡眠前後の精神的ストレスの変化を検討していく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
口腔粘膜細胞からのDNA増幅、その後の遺伝子多型解析の手法を確立することが予想以上にはやくできたため、非常に順調に進展しているように思う。
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今後の研究の推進方策 |
唾液中ストレスマーカーと睡眠時ブラキシズムの関連を明らかにするため、睡眠時ブラキシズム有無だけでなく、睡眠中の脳波、心電図、眼電図、筋電図、睡眠ステージの検討を行う。また、唾液採取し、睡眠前後のストレスを計測するため、CgA、コルチゾール、アミラーゼなどを検討する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
睡眠検査室での咬筋の筋電図や睡眠ステージなどの睡眠関連パラメータを計測し、睡眠時ブラキシズムなどの顎機能障害を調査するため、各種アッセイキットのみならず、プラスチックプレート、ピペットチップ、各種試薬が必要となる予定である。また、これまでの成果発表のため、国内、国外旅費も必要になると考える。
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