味覚障害患者の約70%に亜鉛内服治療が有効であるといわれている。唾液中の亜鉛結合タンパク質である炭酸脱水酵素Ⅵ型が味覚機能に関与するとの報告に基づき、抗体を用いたイムノクロマト法による診断を血液検査の代わりに応用することを目的とし、イムノクロマト測定値と血清亜鉛値との関連について検討したところ、有意な正の相関が認められた。さらに、モノクローナル抗体をイムノクロマト試薬に試みたところ、LS-C196794モノクローナル抗体が、過去に報告したポリクロ―ナル抗体と同等の発色反応を示した。従って、本法を用いることにより、唾液により、簡便迅速に味覚障害の診断法の確立する可能性が示唆された。
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