研究課題/領域番号 |
24592929
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
和嶋 浩一 慶應義塾大学, 医学部, 講師 (70138105)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 筋緊張 / 中枢性筋緊張抑制機能障害 / 中枢性緊張性伸張反射亢進 |
研究概要 |
1.筋緊張(固縮)の程度を客観的に評価するために検査機器を開発:既成の機器は世界中を検索したが見つける事は出来ず、オリジナルの機器を設計を終え、試作機を作成してる。 2.中枢性筋緊張抑制機能障害の検討のため、中枢性疼痛抑制機能障害との関連性を検討した。我々は中枢性筋緊張抑制機能障害は中枢感作により中枢性疼痛抑制機能障害等と並列して出現している現象であると推定し、既に手法の完成してる中枢性疼痛抑制機能障害の評価を臨床例において行い、有意義な結果を得た。 3.国内外の関連学会に参加して、顎関節症、筋障害に関する新たな知見を見聞した。顎関節症治療の為に従来は身体的所見に加えて心理精神的要因の関与を含めて2軸診断が行われていた。最近になって三軸診断が提唱された。3軸目には神経生理学的性状をはじめ多くの因子が勘案されている。その中に、QST、temporal Summation等と共に新たな検査法として中枢神経性の検索も検討されている。この点において前述した中枢性筋緊張抑制機能障害の評価、中枢性疼痛抑制機能障害の評価等は有力な検査法になると考えられた。 4.筋性顎関節症患者では交感神経系の亢進傾向があると既報されていて、我れは予備実験として、連続暗算負荷のクレペリンテスト前後の唾液アミラーゼの分泌測定とR-R間隔変動検査により自律神経系の変動を評価した。その結果、クレペリンテスト後に唾液アミラーゼが増加し交感神経系が高まっているものがあり、その結果はR-R間隔変動検査により自律神経系の変動と同様の傾向であることが判った。両者の結果は公絡している可能性があると考えられ、結果を再検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.筋緊張(固縮)の程度を客観的に評価することを目的に何らかの機器を流用することが出来ないか世界中の実験機器を検索したが見つからなかった。そのため、協力施設と基本設計からはじめたために、条件設定その他で時間を要したため当初の予定では試作機を完成させて、予備データを採取している予定であったが、試作機作成が通りに進んでいない。 2.精神的緊張による自律神経系活動変化測定の為の機器がVersionUPが予定されていたため、購入を見合わせた。しかし、同計器を貸借し予備データの採取を行った。 3.他の項目に関しては予定通り実施されている。
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今後の研究の推進方策 |
1.筋緊張検査機器の試作完成:上顎前歯部に治具を固定し、下顎前歯部を下方に加圧し、下顎の反力に応じて開口力を強める様式で秒速5mmの一定速度で開口させる。一定の力で開口する運動に対する下顎の反力を測定することにより筋緊張を評価する 反力の計測については、端子取り付け部に小型ロードセルを設置し、アクチュエータ起動~設定ストローク到達~反転~原点停止までを、時系列的に測定/記録する形を想定している。アクチュエータに関しては、起動/停止(基本的に1サイクル自動運転)ボタンの他に、被検査者(患者様)と検査者(先生)が操作できる、非常停止ボタン、及び、ロードセル計測での設定限度値を超えた際に全停止するイメージで設計した。現在、試作機の作成中で、早期に試作機を完成させる。至適測定条件を決定し、予備実験を経て、データ収集まで行う予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
1.筋緊張検査機器の試作機作成費用:現在、基本設計を終了し試作機作成中である。作成のために専門的技術、知識の供与、消耗品購入に支出する。 2.4.精神的ストレス負荷自律神経活動測定機器の購入:昨年度は機器がVersionUPにより購入を見合わせたため、本年度は機器購入のため支出する。 3.国内外の関連学会であらたな関連研究の知見を収集するために支出する。
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