顎関節症患者における開口抵抗力測定の試み 第2報 自律神経系の影響 [目的]顎関節症患者の顎のこわばりを開口抵抗力として客観的に評価することを目的に研究している。自律神経系変動の開口抵抗力への影響を検討するため、実験的精神的ストレス負荷による自律神経系変動の開口抵抗力への影響を検討した。 [方法] 対象:20歳代の健常男女20名を対象とした。実験手順: 測定は15分間座位にて安静を保った後に行った。1)安静時の自律神経系の活動性を加速度脈波測定、2)安静時の開口抵抗量を測定、3)クレペリン精神検査(以下、クレペリン検査)に準じた暗算負荷テストを15分間行った。4)暗算終了2分前より、再度、加速度脈波測定開口抵抗量を測定、5)暗算負荷テスト後の開口抵抗量を測定した。開発装置による開口抵抗力測定法:被験者を安静状態におき、下顎に接する治具を開口速度0.83mm/秒、 3.3mm/秒、10mm/秒の3段階で動かし20mm強制開口させ、下顎の抵抗力を連続的に測定した。自律神経系の活動評価:自律神経機能のパラメーターとして、HF%(全パワーに対するHF パワー比)、LF/HF値を用いた。また、a―a 間隔の変動係数についても検討した。 [結果] 自律神経活動検査の結果、暗算負荷テストによりLF/HF 、HF%に有意な変化が認められたが、a―a 間隔変動係数においては有意な差は認められなかった。また、自律神経活動の変化と開口抵抗力には有意な関連が認められなかった。
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