研究課題
ウシ真皮由来の生体吸収性コラーゲンスポンジと多孔性β型リン酸三カルシウム(β-TCP)小顆粒からなる複合体は良好な臨床的操作性,優れた骨伝導能と生体内崩壊性を示す.本研究の目的は,ラット頭蓋冠臨界サイズ骨欠損モデルを用いて,このβ-TCP/コラーゲン複合体の骨伝導および生体内崩壊性に関して,市販の動物由来ハイドロキシアパタイト(HA)顆粒/コラーゲン複合体であるBio-Oss Collagenと比較することである.顆粒径0.15~0.8mmで75%の多孔率をもつβ-TCPとウシ真皮由来の溶解性コラーゲンスポンジを混和することによりβ-TCP/コラーゲン複合体を作製した.β-TCPとコラーゲンの乾燥重量比は4対1とした.ラット頭蓋冠に直径5.0mm骨欠損を2つ作成しBio-Oss Collagenもしくはβ-TCP/コラーゲン複合体をそれぞれ填入した.術後6週および10週にて,ヘマトキシリン-エオジン染色の脱灰組織切片を作製し,組織学的および組織形態計測学的分析を行い骨欠損内の骨治癒を評価した.術後6週にて,Bio-Oss Collagenを填入した骨欠損内は骨梁構造を認めない豊富な線維性組織であったのとは異なり,β-TCP/コラーゲン複合体を填入した骨欠損は密な結合組織を伴う未熟な骨組織を含んでいた.術後10週にて,β-TCP/コラーゲン複合体を填入した骨欠損は密で,連続性のある,成熟した骨組織で覆われ,複合体の骨組織への置換が観察された.しかしながら,Bio-Oss Collagenを填入した骨欠損では,わずかな量の未熟な骨梁構造と多量の残存Bio-Oss顆粒を含む密な結合組織のみ確認された.組織形態計測学的分析により,β-TCP/コラーゲン複合体は,Bio-Oss Collagenよりも,多くの骨組織の形成と残存材料の生体内吸収を伴い,多くの組織増生を引き起こすことが示された.β-TCP/コラーゲン複合体は,Bio-Oss Collagenよりも,形成とリモデリングをもたらす,優れた骨伝導能と良好な生体内崩壊性を示すことが示唆された.
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