研究課題/領域番号 |
24592933
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研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
小峰 太 日本大学, 歯学部, 講師 (90287657)
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研究分担者 |
松村 英雄 日本大学, 歯学部, 教授 (40199857)
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キーワード | コンポジット前装ジルコニアクラウン / ジルコニアオールセラミッククラウン / インプラント上部構造 / 破壊強度 / フレームワーク形態 |
研究概要 |
フレームワークの形態の違いによるインプラント支持のコンポジット前装ジルコニアクラウンの破壊抵抗に関する検討を行った。インプラント上部構造としてジルコニアオールセラミッククラウンおよびジルコニアフレームに間接修復用コンポジットを前装したクラウン(以下、コンポジット前装ジルコニアクラウン)の2種類を用いた。ポリエステル樹脂にインプラント体を植立後、チタン製アバットメントを、トルク圧32 Nにてインプラント体に装着した。 歯科用CAD/CAMでジルコニアフレームを作製した。フレーム形態として、1)ジルコニアフレームの厚さを均一に0.5 mmにしたもの(以下、CON)、2)前装材料を均一な厚みにしたもの、3)前装材料を均一な厚みにし、さらに隣接面から舌側にかけて高さ5.0 mmで前装材料をサポートする形態を付与したものの3種類とし、前装材料の違いで2群に分け、計6条件とした。 それら試料に対して、万能試験機を用いて破壊強度試験を行った。破壊強度試験後、光学顕微鏡および走査電子顕微鏡(SEM)にて破壊面の観察を行った。 ジルコニアオールセラミッククラウン、コンポジット前装ジルコニアクラウンともにCONは、他のフレーム形態に比較して、有意に低い破壊強度であった。この結果から、前装厚さを均一にすることがインプラント上部構造の破壊強度の向上に有効であることが示唆された。また、全てのフレーム形態においてジルコニアオールセラミッククラウンとコンポジット前装ジルコニアクラウンの破壊強度において、有意差は認められなかった。したがって、コンポジット前装ジルコニアクラウンはジルコニアオールセラミッククラウンと同程度の破壊強度を有することが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
平成25年度は、フレームワークの形態の違いによるインプラント支持のコンポジット前装ジルコニアクラウンの破壊抵抗に関する検討、評価を行うことが当初の予定であった。研究は予定通り順調に進行しており、研究結果の解析、分析等も終了し、論文原稿作成も終了して、現在国際誌に投稿中である。
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今後の研究の推進方策 |
交付申請書に記載された研究計画にしたがい、研究を進行させる。今後は、平成24および25年度に研究した内容を発展させ、インプラント支持のコンポジット前装ジルコニアクラウンの長期安定性を検討する。具体的には、修復物に熱サイクルおよび繰り返し荷重を負荷し、破壊抵抗の検討をする。これらにより、臨床応用に必要なコンポジット前装ジルコニアクラウンの長期経過安定獲得のためのフレームデザインおよび臨床術式を確立する。
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