研究課題/領域番号 |
24592935
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
研究機関 | 日本大学 |
研究代表者 |
萩原 芳幸 日本大学, 歯学部, 准教授 (00228389)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
|
キーワード | 歯科インプラント / 光学印象 / Encode / アバットメント |
研究概要 |
レーザーあるいは可視光線による光学印象は,インプラントの領域ではやや臨床応用が遅れている.平成24年度は光学印象の認識度や臨床応用の状況について調査も行った.アンケート調査による結果では,光学印象自体の認識度が低いことが明らかになった.調査対象のうち50%程度の認識度しかなく,実際の使用経験者は10%に満たなかった.これらの詳細な情報等は現在集計・とりまとめ中である. Encode法と印象コーピング法による三次元的模型精度の比較(インプラントトップ部の位置再現性)では単独欠損モデル(下顎第一大臼歯単独欠損)の場合,インプラントトップ部の外部六角機構の相対的位置変化はわずかで臨床上問題をきたさない程度であることが判明した.インプラントトップ部分の外部六角構造を水平成分と垂直成分のXYZ軸変位量として見た場合,それぞれ10-20μmの変位内であり,特別な方向的変位傾向は認められなかった.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究で製作するインプラント作業模型は,現在のところ国内にCADおよびRobocastがないために,データを米国にあるCADセンターに送って作製したものを評価する.そのため,作業模型をアメリカに郵送し,CADセンターからのプロダクツを再度郵送してもらうことから,研究の遂行に予想以上に時間がかかった.また,口腔内用光学印象スキャナー(Lava Chairside Oral Scanner: COS: 3M ESPE)も他施設にあるものを貸与して使用せざるを得ない.加えて,口腔内用光学印象スキャナーが若干のモデルチェンジをして,評価対象のインプラントモデルが従来の計画立案時と若干の違いが出たために,評価方法の見直しなどを余儀なくされた.
|
今後の研究の推進方策 |
複数埋入,クロスアーチ,相互的角度・位置関係の不正等により光学印象が受ける影響について検討を行う.埋入本数と部位に関しては ①下顎遊離端2本連続埋入(以下遊離端モデル)の片側および両側の計2通り,②下顎無歯顎オトガイ孔間4本埋入(以下オトガイ孔間モデル)とする.【すべて平行埋入を基本とする】.印象採得および作業模型の作製は平成24年度計画に準じ,①通法の印象コーピング法およびEHAの直接および模型光学印象法の3種類について検討する.インプラントトップ部位置再現精度(三次元的位置関係)の計測も,同じく平成24年度に準じ,三次元測定器によりマスター模型のインプラント体トップ部の回転防止機構の形状と,作業模型上に再現されたラボアナログの回転防止機構の形状を比較する.
|
次年度の研究費の使用計画 |
研究の進行がやや遅れているために,学会発表および論文作成に係る費用が予算を下回った.そのため平成24年度の予算不執行額と平成25年度の予算を合わせて,引き続きアメリカのCADセンターを経由して専用のEncode インプラント印象模型を作製する費用,ならびに口腔内用光学印象スキャナー(Lava Chairside Oral Scanner: COS: 3M ESPE)によるさ表模型作製費用として研究費を用いる.同時に成果報告のために海外学会への出張および英文論文作製に向けて研究費を用いる予定である.
|