研究課題/領域番号 |
24592937
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研究機関 | 日本歯科大学 |
研究代表者 |
志賀 博 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (50226114)
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研究分担者 |
渡邊 篤士 日本歯科大学, 生命歯学部, 助教 (30609467)
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キーワード | 6自由度顎運動記録装置 / 下顎運動記録システム / PSD |
研究概要 |
6自由度顎運動記録装置を用いた研究は行われているが、十分な精度を確保するためには被験者専用のシーネを製作する必要がある。また、記録装置が大型で高額であることから、広く一般に臨床応用されているとは言い難い状況にある。 出力信号のノイズと信号の不安定さを除去した信号処理装置を有し、簡便で小型・軽量の測定用シーネを用いて一般の臨床の場で自然な状態で記録が行える下顎運動記録システムの開発を試みた結果、スイッチング周波数にあわせたフィルターとUSB接続のADCの使用により、出力信号の位相のズレをなくすことができ、従来のADCに比べ小型・軽量化ができること、装置のカメラ部分に市販されている中で最も小型のPSDを用いることにより、診療室のデンタルユニット上に設置できること、生体の下顎限界運動を観察する際の十分な測定範囲を有することなどをそれぞれ確認できた。そこで、平成25年度では、開発した下顎運動記録装置(装置A)の有用性を検討する目的で、まず測定用シーネを咬合器に装着し、正確に記録できているかを検討した。次いで,開発した装置と市販の高精度下顎運動記録装置(装置B)を用いて生体の下顎運動を同時記録し、両記録結果を比較した。 咬合器の上弓に付着したトライアングルの重心点は、顆頭球間軸を中心に正確な円弧を描くことが確認できた。また、咀嚼運動経路と左右側方運動は、装置Aと装置Bとが近似していることが確認できた。これらの結果から、新しく開発した3次元下顎運動記録装置は、高精度の下顎運動記録装置であるトライメットと同程度の下顎運動を記録・分析できることが確認でき、臨床応用できることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通り進展している。
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今後の研究の推進方策 |
平成26年4月~6月 本研究で開発した記録システム(申請設備)と大型であるが、高精度を有する6自由度顎運動記録装置トライメット(現有設備)とを用いて被験者の開閉口運動と咀嚼運動を同時記録後、本研究で開発した記録システムで解析した 運動データとトライメットで解析した運動データとを比較し、本研究のシステムの臨床的な有効性を検討する。なお、運動データの比較は、測定点に近い切歯部の他に測定点から離れた第1大臼歯部も行う。 平成26年7月~ 研究成果をまとめ、論文投稿する。
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