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2012 年度 実施状況報告書

咬合感覚異常(症)に対する高次脳活動、自律神経活動、精神面からの病態解析

研究課題

研究課題/領域番号 24592938
研究種目

基盤研究(C)

研究機関神奈川歯科大学

研究代表者

玉置 勝司  神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (00155243)

研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワード咬合違和感 / 自律神経活動 / 脳活動 / 心理テスト
研究概要

I.被験者(当大学学生)を対象とした基礎的データの収集:(1)本研究遂行にあたり、同大学倫理委員会に申請し、承認後に下記の実験を行った。(2)本研究の目的、意義、実験内容に同意が得られた本学学生のボランティアを被験者として、心理テスト(GHQ:神経症圏スクリーニングテスト、POMS:うつ病圏スクリーニングテスト)、そして自律神経活動(起立試験)を実施し、正常群(男6名,女5名,計11名,平均年齢23歳)を実験対象とした。(3)自律神経活動と脳活動の計測および記録上記の被験者に対して、自律神経解析装置(クロスウェル生体情報モニター)と脳活動(光トポグラフィー、ETG-7100)の同時計測を下記の条件で実施する。①何も上下歯間に介在させない状態をベースラインとする。②片側上下臼歯間に無味無臭のメタルフォイル(1枚12μm)を1枚ずつ置いていき、タッピング、グラインディングのタスクを行い、自律神経活動(交感・副交感神経の安定性)と脳活動の同時計測を行った。③12μmのメタルフォイルを1枚ずつ重ねていき、被験者がメタルフォイルを認知した枚数を『フォイル認知閾値』とし、その後咬合違和感として感じたメタルフォイル枚数を『咬合違和感発症閾値』とした。その後はメタルフォイルを5枚(60μm)ずつ増加していき、その都度計測を行う。計測のエンドポイントは200μmを超えた時とした。
II.被験者(当大学学生ボランティア)を対象とした基礎的データの取りまとめ:正常群において、『認知閾値』とその時の自律神経活動と脳活動、『咬合違和感発症閾値』とその時の自律神経活動と脳活動、『咬合違和感発症閾値後60μm毎』の自律神経活動と脳活動について計測した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

『咬合感覚異常(症)』の病態を自律神経活動、脳活動、精神面から解明するために、3年間の研究期間を設定した。初年度:被験者の心理テスト、自律神経活動(起立試験)、人工的咬合違和感を設定し、タスク動作中の自律神経活動(交感神経と副交感神経の活動バランスの安定性)と脳活動(前頭前野に現れる脳血流量の変化)の計測を行い、正常群における自律神経活動と脳活動の特徴について解析することが、平成24年度の到達目標であった。
しかしながら、計測に参加した学生ボランティアは11名のみで、当初予定していた正常群(10名)、神経症圏群(10名)、うつ病圏群(10名)、自律神経反射不良群(10名)からは大幅に下回ってしまった。この理由として,計測日が木曜日のみ、1名の被験者の計測であったこと、また学生ボランティアは歯学部の講義を終了したあとの17時以降であったことが考えられる。したがって,平成25年度は1日の計測人数を2名に増やし、被験者数の増加をまず行いたいと考えている。

今後の研究の推進方策

I.咬合違和感訴えて来院した患者を対象としたデータの収集:(1)本研究遂行にあたり、当大学倫理委員会に申請し、承認後に下記の実験を行う。(2)本研究の目的、意義、実験内容に同意が得られた咬合違和感を有する患者を対象に、心理テストおよび医療面接、そして自律神経活動(起立試験)を実施し、被験者を患者正常群(10名)、患者神経症圏群(10名)、患者うつ病圏群(10名)、患者自律神経反射不良群(10名)として以下の実験対象者とする。(3)自律神経活動と脳活動の計測および記録上記の患者被験者に対して、自律神経解析装置(クロスウェル生体情報モニター)と脳活動(光トポグラフィー、ETG-7100)の同時計測を下記の条件で実施する。
①何も上下歯間に介在させない状態(すでに咬合違和感のある状態)②片側上下臼歯間に無味無臭の歯科用フォイル(1枚12μ)を1枚ずつ置いていき、タッピング、グラインディングのタスクを行い、その時の自律神経活動と脳活動の同時計測を行う。
③12μの歯科用フォイルを1枚ずつ重ねていき、被験者が歯科用フォイルを認知した枚数を『フォイル認知閾値』とし、その後は歯科用フォイルを5枚(60μ)ずつ増加していき、その都度計測を行う。計測のエンドポイントは200μを超えた時とする。
II.咬合違和感訴えて来院した患者を対象とした臨床的データの取りまとめ:患者正常群、患者神経症圏群、患者うつ病圏群、患者自律神経反射不良群において、『フォイル認知閾値』とその時の自律神経活動と脳活動、『咬合違和感発症閾値後60μ毎』の自律神経活動と脳活動について解析し、正常群、神経症圏群、うつ病圏群、自律神経反射不良群における自律神経活動と脳活動の様相について解析する。

次年度の研究費の使用計画

平成25年度の研究費の使用は、主に正常者群としての学生ボランティアと実際の患者の計測に対する消耗品、資料整理費、研究成果報告を行う国際学会や国内学会への参加旅費,被験者に対する謝礼金,脳機能計測機器のメンテナンス費などがあてられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2013 2012 その他

すべて 学会発表 (3件) (うち招待講演 1件) 図書 (1件)

  • [学会発表] メタルストリップスによる片側臼歯咬合挙上が脳血流に与える影響-fNIRSによる検討-2012

    • 著者名/発表者名
      小林 剛,小野弓絵,葉山莉香,島田 淳,澁谷智明,和気 裕之,生田龍平,玉置 勝司
    • 学会等名
      第27回日本歯科心身医学会学術大会
    • 発表場所
      埼玉県川越 川越東武ホテル
    • 年月日
      20120901-20120902
  • [学会発表] シンポジウム:咬合違和感の実態に迫る2012

    • 著者名/発表者名
      玉置勝司
    • 学会等名
      第27回日本歯科心身医学会学術大会
    • 発表場所
      埼玉県川越 川越東武ホテル
    • 年月日
      20120901-20120902
    • 招待講演
  • [学会発表] 咬合違和感に関する高次脳機能活動について-健常者における基礎的研究-

    • 著者名/発表者名
      玉置勝司,小林剛,小野弓絵,澁谷智明,島田 淳,葉山莉香
    • 学会等名
      平成24年度日本補綴歯科学会西関東支部学術大会
    • 発表場所
      神奈川県歯科医師会館
  • [図書] 口・あご・顔の痛みと違和感の対処法‐原因のはっきりしないケースで困ったら‐2013

    • 著者名/発表者名
      和気裕之、玉置勝司、宮岡 等
    • 総ページ数
      95
    • 出版者
      株式会社 ヒョーロン・パブリッシャーズ

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公開日: 2014-07-24  

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