研究課題
咬合感覚異常(症)の患者の病態を明らかにするために、平成24,25,26年度までに同意が得られた被験者に咬合違和感を惹起する咬合干渉を人工的に付与し、その時の状態を脳活動と自律神経活動を記録した。同じ被験者に心理テスト(GHQ、POMS)を行いその時点の精神面の評価も合わせて行った。被験者数は19名(男性11名、女性8名、平均年齢22.6歳)であった。咬合違和感(咬合干渉)の付与は、これまでと同じで12μの歯科用フォイルを1枚ずつ重ねていき、被験者が歯科用フォイルを認知した枚数を『フォイル認知閾値』とし、その後は歯科用フォイルを増加していき、その都度計測を行った。計測のエンドポイントは咬合違和感を感じたフォイル厚を『咬合違和感閾値』とした。自律神経活動は自律神経解析装置と脳活動の同時計測と事前に起立負荷試験を実施し、被験者の自律神経活動から分類した。平成26年度(最終年)には咬合違和感訴えて来院した患者を対象としたデータの収集を試みたが、咬合違和感を訴える患者で計測の同意が得られ、実施することができたのは2名のみであった。患者を神経症圏群、うつ病圏群、自律神経反射不良群に分類することは今回は困難であった。最終年はこれまで記録した被験者19名と咬合違和感違和感患者2名に対して行った脳機能活動(光トポグラフィー),自律神経活動(起立負荷試験及び計測中の自律神経活動),心理テストのデータについて今回は取りまとめを行い,咬合感覚異常(症)の病態の解明の一助とした。また、日本補綴歯科学会の診療ガイドライン委員会でこの病態を『咬合違和感症候群 ( occlusal discomfortsyndrome) 』として提案し、2013年5月の第122回日本補綴歯科学会(福岡)において、『咬合違和感症候群 ( occlusal discomfortsyndrome) 』として報告した。
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BioMed Research International
巻: 2015 ページ: 1-10
10.1155/2015/395705.
日本顎関節学会雑誌
巻: 26 ページ: 196‐202