研究課題/領域番号 |
24592939
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
三浦 英司 鶴見大学, 歯学部, 助教 (20157423)
|
研究分担者 |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
井川 知子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70552389)
|
キーワード | CAD/CAM |
研究概要 |
本課題の目的はCT画像情報を応用し,口腔内,顎顔面頭蓋および顎関節構造の形態や機能に調和した,VR全部床義歯の製作が可能なCAD/CAMシステムの構築である. 平成24年度の成果報告においては、CTからの義歯形態の抽出が困難であったことから,患者が現在使用している義歯の形態を三次元表面形状測定装置から採得し,このデジタルデータをもとにCAD/CAMを用いてDigital Duplicate Dentureを製作,CAD/CAMシステムによる義歯製作が可能であったことを報告した.また,VR上で義歯床部と人工歯部を分離した設計を行うことで義歯床部にはレジン,人工歯部にはPressable Ceramicを用いた義歯を製作できた. しかし,これらのデータは三次元表面形状測定装置の精度により,最終補綴装置である義歯に大きく影響を及ぼす.そこで8mmのステンレス球を平面版に5つ配置し,接着させたジグを製作した.これら8mm球の直径を3次元デジタイザー(FARO gage)にて測定し,コントロールとした.三次元表面形状測定装置にはOptoraceを使用し,スキャン後,三次元形状モデルを製作した.各球の直径および中心間距離を測定し,コントロールとの比較を行った. 各球の直径は平均40~50μmであり,三次元表面形状測定装置の精度として臨床応用可能であると思われた. 本年度は義歯に使用する材料の検討から,CAD/CAM義歯の臨床応用の可能性を探る.また,義歯の製作におけるCAD/CAMシステムの簡便化を行う.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本課題の目的はCT画像情報を応用し,口腔内,顎顔面頭蓋および顎関節構造の形態や機能に調和した,VR全部床義歯の製作が可能なCAD/CAMシステムの構築である.平成24年度の成果報告においてCAD/CAMシステムを用いた義歯の製作を行うことができ,平成25年度においては三次元表面形状測定装置の精度検証,さらは義歯に使用した材料の検討を目的とした摩耗試験を準備中であることから,おおむね順調に進展している.
|
今後の研究の推進方策 |
前年度までに製作したCAD/CAM義歯は人工歯にPressable Ceramicを用いている.これまで義歯に使用された人工歯はレジン歯や硬質レジンが一般的で,Pressable Ceramicの経過例はほとんど報告されていない.本年度はこれら材料が長期的な義歯の使用における変化に及ぼす影響,特に人工歯の摩耗について検討を行う.当初の計画においては症例に対してクロスオーバー研究を行い,臨床応用の可能性について検討予定であったが,被験者数が少なく,条件統一などが困難であると思われた.そこで平成25年度の精度検証とへ本年度の材料の検討から,CAD/CAM義歯の臨床応用の可能性を探ることとした.また,システムの簡便化を行うため,ハプティックデバイスを用いた義歯の設計を試みる.
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度にワークステーションおよびハプティックデバイスを購入予定であったが,今年度までは義歯の試作において必要性が生じなかったため差額が生じた. 平成26年度はシステムの簡便化のためハプティックデバイスを購入する.また試験材料や成果報告のための学会旅費や必要となる.
|