研究課題/領域番号 |
24592941
|
研究機関 | 鶴見大学 |
研究代表者 |
小川 匠 鶴見大学, 歯学部, 教授 (20267537)
|
研究分担者 |
重田 優子 鶴見大学, 歯学部, 講師 (40367298)
井川 知子 鶴見大学, 歯学部, 助教 (70552389)
|
キーワード | 支台歯形成 / ナビゲーションシステム |
研究概要 |
本研究は、歯科医療の技術教育とくに支台歯形成に着目し,三次元力覚デバイスによる接触感覚を有した支台歯形成シミュレーションおよび位置測定装置を応用した形成をリアルタイムで視覚的に支援するイメージガイデッドシステムを構築することを目的としている.これまでの成果ではリアルタイムかつ定量的な研削,支台歯形態の変形を行うことが可能な硬組織変形モデルを製作した.また,研削を行うタービンの動きをコンピュータ上で表現するシミュレータの開発を行ってきた. 本年度は,試作したシミュレータで実際に支台歯形成を行ったことのある歯科医師に使用させ,形成時の感覚や形成量の程度,形成画面の使用感などについて調査を行い,シミュレータの改良を行った. シミュレータの改良として,三次元力覚デバイスにおける接触感覚や形成量の程度について段階的に調節が可能となるよう設定し,繰り返し形成を試みることで実際の支台歯形成により近似するよう調整した.また,シミュレータの作業画面に表示する形成モデルの回転を制限し,技術レベルによって形成時に表示できる範囲を決定できるよう設定した.これまで形成用モデルはSTLデータの入力が可能であり,変更が容易であったが,支台歯形成に使用する形成用のポイントについてはあらかじめ用意されたデータから選択できるように変更した.さらにコンピュータ上による支台歯形成では前後方向の認識が難しく,とくに隣在歯に接触しているかどうか判別しにくかった,そこで隣在歯の衝突判定を設定し,形成時に隣在歯に触れると隣在歯の色が変化することで容易に確認できるように改変した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度までの予定であった、支台歯形成シミュレータおよびイメージガイデッドシステムの開発は,ほぼ完了している.支台歯形成シミュレータの改良により本研究でメインとなる支台歯形態の変形部分が完成したことから,実際のタービンの位置情報を加えることで,これらの情報により支台歯形成の変形を行わせることで,イメージガイデッドシステムの構築が完成する.
|
今後の研究の推進方策 |
平成26年度は、これまで勧めてきたシミュレータの改良に,実際のタービンの位置情報を加えることで,支台歯形成イメージガイデッドシステムの構築を完成させる.研究計画においてはボランティアにシステムを使用させアンケート調査を行うことを予定していたが,システムの妥当性について検討を行うことが先決であると思われる.したがって実際に形成した支台歯形態と視覚支援に使用するコンピュータ上の支台歯形態との比較を行いながら,システムの精度を向上させていく予定である.
|
次年度の研究費の使用計画 |
平成24年度に購入予定であったワークステーションはナビゲーションシステム構築時に必要となる.平成24年度・平成25年度はシミュレーションシステムの開発・改良をおこない,ナビゲーションシステムの構築は本年度となったため,購入時期のずれが生じた. 平成26年度はナビゲーションシステムの構築を行うため,ワークステーションの購入を予定している.また,形成時のリアル性を高めるためにハプティックデバイスの改良を行うため,改良用のハプティックデバイス購入が必要となる.その他,消耗品の購入や成果発表のため学会旅費に使用する予定である.
|