• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2013 年度 実施状況報告書

軽度の要介護高齢者における予防重視型の栄養改善アクションプランの確立

研究課題

研究課題/領域番号 24592944
研究機関大阪歯科大学

研究代表者

田中 順子  大阪歯科大学, 歯学部, 准教授 (80319582)

キーワード高齢者 / 栄養
研究概要

高齢者が自立した生活を続けるためには,食生活の影響が大きい.食事によって身体機能,生活機能,免疫機能が問題なく維持できれば,要介護状態に陥ることなく健康寿命の延長が望める.介護予防の観点から取り組む栄養改善プランとは,高齢者が食事しやすい体調を作る「食べることを支援する」を目的とする.本研究は低栄養の軽度の要支援者を対象に,栄養改善を歯科治療,口腔ケア,摂食・嚥下リハビリテーションによって行い,予防重視型の栄養改善アクションプランを確立することである.
平成25年度の成果として,特定高齢者の要支援指定を受けた高齢者のうち,栄養改善を必要とし,痴呆に罹患していない高齢者16名を選択した.被験者に検査を行った.評価後,歯科治療の必要性の有無によって2群に分類した.歯科治療を行わない群の12名には,口腔周囲機能訓練を半年間月2回行っている.治療を行った者も治療後同様の口腔周囲機能訓練を行い,現在継続中である.
今年度の被験者らはサービス付高齢者住宅に在住している高齢者である.住宅において口腔内検査を行い,歯科治療を行わない群から協力を依頼した.被験者らは口腔周囲機能訓練に積極的に取り組んでいる.現在の時点では事後検査と事前検査の結果に大きな違いは認められていない. 昨年度の訪問看護ステーションの被験者よりも年齢層は高いが,要支援状態であるためか結果に変わりはなかった.ただ,食形態については在宅の患者と異なる点が認められた.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本研究は低栄養の軽度の要支援者を対象に,栄養改善を歯科治療,口腔ケア,摂食・嚥下リハビリテーションによって行い,予防重視型の栄養改善アクションプランを確立することである.
平成25年度の計画では25名の高齢者を選択する予定であった.しかし,実際は条件を満たす被験者が足りなかった.条件をクリアし同意が得られた方から順次実験を開始している.介入事項に関してはリサーチアシスタントの協力も得て行っている.
達成できなかった事項として,要支援の被験者が16名しか集まらなかった.今年度はサービス付きの高齢者住宅を対象にしたため,低栄養者が少なく,食事の面においてほぼ画一的であり,精密なカロリー計算に限界があった.また,食形態を調理師が変化させていることもあり,口腔内の状況と食事のしやすさには昨年度のような一定の傾向が認められなかった.

今後の研究の推進方策

本年度の研究を継続し,被験者を集めながらさらに進める.平成26年度で実験は終了するため,データの解析を始める.
また,検査項目として追加予定の舌の動きの評価法と評価基準を考える.今年度の被験者の中で超音波診断装置による咀嚼時の舌運動を調べた結果,高齢有歯顎者と比較して異なる様相を呈している可能性が考えられた.それゆえ,咀嚼から嚥下にかけての舌の様相と口腔内状況とを比較しながら結果をまとめる.

次年度の研究費の使用計画

今年度は初期の計画通りデータを採取したが,平成26年度は評価法の一つとして食事時の舌の動きに関する結果を追加する予定である.それゆえ,ポータブルの超音波診断装置を平成26年度4月に購入する.
本研究への評価に関して足りない点である舌の運動の評価を行いたいが,全被験者に当大学へ来院していただくことが不可能なため,在宅向けに小さく改良された超音波診断装置を平成24と25年度の繰越金を用いて購入する.
施設を周っている際,歯科治療の介入を拒否した欠損歯数の多い高齢者がむせずに食事を行っていること様子を目の当たりにした.そこで,在宅の要支援者1名に当院への来院を依頼し舌運動を超音波診断装置にて測定した.その結果,咀嚼時に舌の左右側の高低差が健常者と異なる傾向を示した.
本研究への評価に関して足りない点である舌の運動の評価によい知見を得たが,全被験者に来院していただくことが不可能なため,在宅向けに小さく改良された超音波診断装置を用いてデータの収集にあたる予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2013

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Influence of prosthodontic treatment during the convalescent phase for care prevention of elderly patients with bone fractures resulting from falls2013

    • 著者名/発表者名
      Tanaka Muto,Tanaka Junko,Tanaka Masahiro
    • 雑誌名

      J Osaka Dent Univ

      巻: 47 ページ: 57-65

    • 査読あり
  • [学会発表] 超音波診断装置を用いた可撤性部分床義歯装着後の経時的咀嚼時舌運動観察の症例2013

    • 著者名/発表者名
      覺道昌樹,藤野智子,向井憲夫,田中順子,田中昌博
    • 学会等名
      第27回日本口腔リハビリテーション学会学術大会
    • 発表場所
      横浜市
    • 年月日
      20131110-20131110

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi