研究課題/領域番号 |
24592951
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 治秀 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90107293)
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研究分担者 |
千葉 美麗 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10236820)
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キーワード | 機械受容神経 / 再生 / メカノセンサー / インプラント / 神経栄養因子 / 骨芽細胞 |
研究概要 |
失われた歯の代替として埋入したインプラント(人工歯根)は、患者のQOLの向上に重要な役割を果たしているが、人工歯根はメカノセンサーを持っていないため、天然歯根と比較して、咬み心地が異なり、また、強い咬合力がかからないように特別の配慮が必要である。本研究は、機械受容神経の再生機構を解明し、その機構に関する知見からメカノセンサーを有する新規インプラント(人工歯根)を開発することを目的とする。 本年度の研究結果を以下に示す。 (1)マウス骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1に振動刺激を負荷すると、骨芽細胞の分化が促進され、神経栄養因子群の遺伝子発現が増強した。(2)マウス骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1とマウス誘導多能性幹細胞株を用いて、周期的伸展刺激を負荷し、神経栄養因子群の遺伝子発現をリアルタイムPCRにて検索した。現在、タイムコースと刺激の強さによる発現様相の変化を解析している。今後は、in vivoでの発現を確認し、重要分子を絞り込んでいく予定である。(3)神経細胞培養モデルであるラットPC12細胞の神経突起形成を確立した。ラットPC12細胞は、ある種の刺激を加えるとMEK-ERK1/2シグナル伝達機構を介して神経突起を伸長するため、同様のシグナル刺激をin vivoの系においても検討する予定である。(4)ラットを用いた in vivo実験系のために、小動物μCTによる骨量、骨密度などの定量的解析方法を確立した。今後は、ラットの抜歯窩治癒過程にインプラント体を埋入し、治癒過程のタイムコースを正確に追い、機械受容神経の再生過程を明らかにする予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
東日本大震災後の研究棟改築工事が本年度(平成25年7月)から開始され、それに伴い研究室と実験室の仮移転が必然であった。本研究遂行上の時間的および空間的な制限を最小限になるよう計画したが、業者による引越しや機器のセッティングの日程が計画どおりに進まず、尽力したにもかかわらずそれらの影響を避けることができず、やや研究が遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度と同様に、東日本大震災後の研究棟改築工事終了後に、再度次年度(平成26年7月頃)に新しい研究室と実験室への移転が計画されている。可及的に影響を受けない様に、本年度の経験を生かして時間的および空間的移転計画を綿密に行い、予定している研究を精力的に進行し、遅れを取り戻すべく尽力する。
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次年度の研究費の使用計画 |
若干の研究計画遂行の遅れに伴い、試薬および物品の購入が遅れたために次年度使用額が生じた。 遅れていた研究計画を加速して遂行することとし、それに伴って、当初の計画に沿って使用を執行する。
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