研究課題/領域番号 |
24592951
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
林 治秀 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学院非常勤講師 (90107293)
|
研究分担者 |
千葉 美麗 東北大学, 歯学研究科(研究院), 講師 (10236820)
|
研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2017-03-31
|
キーワード | メカノセンサー / 神経栄養因子 / 歯周組織 / 人工歯根 / BMP-4 / 機械受容神経 / 歯根膜 / 歯根膜細胞 |
研究実績の概要 |
失われた歯の代替として埋入したインプラント(人工歯根)は、患者のQOLの向上に重要な役割を果たしている。しかしながら、人工歯根はメカノセンサーを持っていないため、天然歯根と比較して、咬み心地が異なり、また、強い咬合力がかからないように特別の配慮が必要である。本研究の目的は、機械受容神経の再生機構を解明し、その機構に関する知見からメカノセンサーを有する新規インプラント(人工歯根)を開発することを目的とする。 本年度の研究において以下のことが明らかとなった。 (1)マウス骨芽細胞様細胞MC3T3-E1細胞は、伸展刺激や振動刺激のような力学的刺激を負荷することにより、神経栄養因子の発現を変化させた。 (2)ラット歯根膜細胞は、発生、成長発育、歯周組織の再生、骨形成などで役割を果たすことが知られているBMP-4を発現している。我々はエレクトロポレーション法により、培養ラット歯根膜細胞にBMP-4を強制発現させた。BMP-4タンパク質は、細胞内においては、mature form (23-kDa)とprecursor form (54-kDa) が検出された。さらに培養上清中にはmature formのBMP-4が検出された。BMP-4タンパク質の産生は、プラスミド量に依存して増加した。同様にプラスミド量に依存して歯根膜細胞のアルカリホスファターゼ活性も増加した。一方、in vivoでラット歯根膜にBMP-4を強制発現させても、骨形成は誘導されなかった。以上のことから、機械受容神経を含む歯周組織の恒常性において、BMP-4が何らかの作用を有することが示唆され、現在、引き続き解析中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯根膜恒常性におけるBMP-4の作用が明らかになり、神経再生誘導への関与の可能性についての重要な知見が得られた。
|
今後の研究の推進方策 |
さらなる研究の推進と総括を行う。学会発表と論文投稿を行う。
|
次年度使用額が生じた理由 |
研究計画を順調に遂行したが、平成26年度の改修工事に伴って引き起こされた研究計画の遅れの影響が若干残り、特に研究成果の発表が遅れている。
|
次年度使用額の使用計画 |
平成28年度を最終年度として、更なる研究の推進と研究成果の学会発表や論文発表を行う。
|