研究課題
失われた歯の代替として埋入したインプラント(人工歯根)は、患者のQOLの向上に重要な役割を果たしている。しかしながら、人工歯根はメカノセンサーを持っていないため、天然歯根と比較して、咬み心地が異なり、また、強い咬合力がかからないように特別の配慮が必要である。本研究の目的は、機械受容神経の再生機構を解明し、その機構に関する知見からメカノセンサーを有する新規インプラント(人工歯根)を開発することを目的とした。以下のような、研究成果が得られた。(1)ラットへの非ウイルス遺伝子導入法(in vivo electroporation法)を用いて、導入部位を制御して目的のプラスミドを注入し、bone morphogenetic protein 4(BMP-4)を強制発現すると、導入部位を狭く制御した発現分布のコントロールが可能であった。Site-specific(部位特異的)な新規神経再生の方法についての重要な知見が得られた。(2)Nanog遺伝子プロモーターの下流に緑色蛍光タンパク(GFP)が導入され,Nanog遺伝子発現をGFPでモニター可能なマウスiPS細胞株iPS-MEF-Ng-20D-17を用いて、周期的伸展刺激を負荷した.周期的伸展刺激後のNanog遺伝子発現は減少し、GFPの蛍光強度も減少した。周期的伸展刺激がiPS細胞の未分化性を抑制する可能性があり、Akt-PI3Kシグナル伝達系が関与することが示唆された。このことにより、神経再生において、神経細胞分化誘導の初期段階に周期的な力学的刺激を応用する可能性を示唆する重要な知見が得られた。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件)
Cytotechnology
巻: 68 ページ: 2287-2299
10.1007/s10616-016-0023-x
実験力学
巻: 16 ページ: 140-146
http://doi.org/10.11395/jjsem.16.140
Archives of Oral Biology
巻: 74 ページ: 123-132
http://doi.org/10.1016/j.archoralbio.2016.11.013