歯科材料の進化に伴い、欠損部分を修復する治療の短期的臨床成績は大きく向上した。そして、これらの治療に関して重視されているのが長期耐久性の評価と予測である。しかしながら、応力が負荷された条件下での耐久性を簡便で正確に評価する方法はない。そのため、臨床予後に関連する要因が多岐にわたる歯科インプラント治療の長期耐久性は予測不可能である。また、高齢者の歯の破折が頻発するようになり、各々の歯の状態に応じた耐久性予測に基づいて破折予防法を策定する必要がある。そこで本研究では、歯や歯槽骨、ならびに歯科修復材料の破壊現象を、コンピュータシミュレーションを用いて精密かつ簡便に解析できる新規システムを構築した。
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