温度応答性ポリマーを用いることによって洗浄作用の高い義歯安定剤を開発することを目的とした.分子量の異なるポリマーの粉液混和比で質量%25-30%において,17-18℃で流動性の変化を認めた.体温付近での物性の評価においては,粘着強さではポリマー質量30%で市販の安定剤よりも有意に高い値を得た. 6週齢のラット口蓋部にレジン床で試料を圧接,保持した後の組織検索では,炎症状態に試料間の差は認めなかった.これらの物性および生体親和性の結果から,温度応答性ポリマーが義歯安定剤の基材として有効であると考えられた.
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