研究課題
インプラント周囲炎は天然歯の歯周炎に比べて組織再生が困難で、再発率も高い。多血小板血漿(Platelet-rich plasma: PRP)は血小板を濃縮した血漿であり、多種多量の成長因子を含むとされ、近年、顎顔面口腔領域で骨再生治療のため臨床応用されている。しかし、PRP単独での骨再生効果は十分でないため、骨移植材と併用されることが多い。一方、自然治癒が望めない大きな骨欠損の組織再生に、細胞、成長因子、担体を組み合わせた細胞移植の有効性が示唆されている。本研究ではGDF-5添加進化型PRP/骨膜由来細胞の複合体移植による骨再生療法の開発を試みるため、下顎骨骨膜由来細胞の骨形成における、rhGDF-5/PRPの効果を検討した。下顎骨骨膜由来細胞においてrh-GDF5/PRPは、PRPのみと比較してアルカリフォスファターゼ染色の強い陽性反応を示し、石灰化も誘導した。これまでのデータから、PRPとrhGDF-5は、骨形成に有用であり、PRPゲルは、細胞移植の担体として期待できることが示唆された。また、PRPのゲル化は細胞移植を容易にし、細胞の分化促進、維持の環境を向上させるうえで骨再生に有用すると考えられた。
すべて 2015
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)
PLoS One
巻: 17 ページ: in press
10.1371