研究課題/領域番号 |
24592962
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
迫田 賢二 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70419654)
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研究分担者 |
中村 利明 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (60381183)
吉元 剛彦 鹿児島大学, 医歯(薬)学総合研究科, 研究員 (60419653)
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キーワード | 歯周組織再生 |
研究概要 |
本研究では、脱分化脂肪細胞の作製手技を模倣し、iPS細胞を成熟脂肪細胞へ分化させ、そこから高純度の間葉系幹細胞を得ることを目的としていた。iPS細胞から成熟脂肪細胞への分化についてはフィーダー細胞を用いることで、効率よく分化させることに成功した。しかしながら、分化した脂肪細胞を脱分化脂肪細胞の作製手技に準じて脱分化を試みたが、間葉系幹細胞様細胞を得ることはできなかった。また、いくつかの論文で紹介されていたiPS細胞から間葉系幹細胞様細胞へ分化させる方法を試みたが、我々の研究室ではこれらの方法をもってしても間葉系幹細胞様細胞を得ることはできなかった。iPS細胞から高純度の間葉系幹細胞を得るためには別のアプローチをとり、これは今後も継続していくこととする。 本研究の最終目標である歯周組織再生を間葉系幹細胞を用いて行うこととした。我々はチタンインプラント表面への歯周組織構築を目指し、歯周組織再生型インプラントの開発を行う。チタン表面への歯周組織構築には、歯根の発生期を模倣し、エナメルマトリックスタンパクを用いる。トレシルクロリドにてチタンを処理することで、エナメルマトリックスタンパクをチタン上へ固定した。そこへ間葉系幹細胞を播種しその細胞の解析を行った。まず、Cell viabilityについては全く問題はなかった。次に、エナメルマトリックスタンパクを固定したチタン上では播種した間葉系幹細胞のVEGF産生が亢進した。さらにその細胞の遺伝子解析を行ったところ、未処理のコントロール群と比較して、セメント芽細胞のマーカーとして知られる、CEMP1やCAPの発現が亢進していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究では、脱分化脂肪細胞の作製手技を模倣し、iPS細胞を成熟脂肪細胞へ分化させ、そこから高純度の間葉系幹細胞を得ることを目的としていた。iPS細胞から成熟脂肪細胞への分化についてはフィーダー細胞を用いることで、効率よく分化させることに成功した。しかしながら、分化した脂肪細胞を脱分化脂肪細胞の作製手技にて脱分化を試みたが、間葉系幹細胞様細胞を得ることはできなかった。また、いくつかの論文で紹介されていたiPS細胞から間葉系幹細胞様細胞へ分化させる方法を試みたが、我々の研究室ではこれらの方法をもってしても間葉系幹細胞様細胞を得ることはできなかった。
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今後の研究の推進方策 |
iPS細胞から間葉系幹細胞を得る別のアプローチとして、共培養系を試みる。その一方で、歯周組織再生に関する研究として、チタンインプラント表面への歯周組織構築を目指し、歯周組織再生型インプラントの開発を行う。トレシルクロリドにてチタンを処理することにより様々な蛋白をチタン上に固定することができる。我々はチタンにエナメルマトリックスタンパクを固定し、そこへ間葉系幹細胞を播種することでセメント質マーカーの発現が亢進した。今後はそのシグナル解析とラット顎骨への埋入実験を予定している。
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次年度の研究費の使用計画 |
当該年度に動物予備実験を予定しており実験動物の費用を計上していたが、in vitro 実験の進行が予定より若干遅れ、動物実験を行えなかったことが当該助成金が生じた理由である。 in vitro 実験の進行を加速させ、動物実験を予定している。
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