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2012 年度 実施状況報告書

インプラント周囲上皮の口腔粘膜疾患に対するリスク評価法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 24592968
研究種目

基盤研究(C)

研究機関東京歯科大学

研究代表者

矢島 安朝  東京歯科大学, 歯学部, 教授 (10183667)

研究分担者 佐々木 穂高  東京歯科大学, 歯学部, 助教 (50433959)
本間 慎也  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (70408334)
伊藤 太一  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80312015)
古谷 義隆  東京歯科大学, 歯学部, 講師 (80385179)
研究期間 (年度) 2012-04-01 – 2015-03-31
キーワードインプラント周囲上皮 / マイクロアレイ法
研究概要

インプラント治療は、口腔癌の好発年齢層に患者が多く、また慢性的炎症を伴う特殊な環境下であることから、 インプラント周囲上皮は癌を含む粘膜疾患のリスクが高いと考えられる。インプラント周囲上皮は、天然歯の付 着上皮と比較して細胞増殖能は低く細胞接着機構が乏しいことから、インプラント周囲炎のリスク評価について は数多く研究がなされているが、インプラント治療に伴う口腔粘膜への影響や粘膜疾患の発症に観点をおいた研 究はなされていない。 本研究の目的は、①インプラント周囲上皮の経時的な遺伝子発現プロファイルの作成と口腔粘膜上皮との比較検討を行ない、②4-NQOを用いた口腔癌の自然発癌実験モデルを用いて、同定された腫瘍関連遺伝子の発現を比較 ・同定し、インプラント周囲上皮の悪性化における特異的な遺伝子を特定することで、インプラント治療に伴う 口腔粘膜疾患へのリスク評価法を確立することである。
平成24年度は、インプラント周囲上皮と口腔粘膜上皮との比較検討を主体に行った。4週齢雄性ラットの上顎第一臼歯を抜歯し、実験群にはインプラント体埋入後のインプラント周囲組織、対照群は治癒後の口腔粘膜組織とし、GeneChipマイクロアレイ (Rat genome 430 2.0 array)にてHybridization(各群;n=2)後に、アレイ統計解析ソフトGeneSprings GXを用いて、網羅的遺伝子発現の検索を行った。これらの遺伝子群に対してGO解析をおこない、刺激応答に関連する遺伝子が主であることをインプラント関連学会にて報告した。現在、これらの遺伝子群から、発癌に関連する遺伝子を抽出し、インプラント周囲上皮における継時的な変化に対して、遺伝子の発現量の変化は定量的RT-PCR法、発現の局在性は免疫組織学的染色法などを用いて検討を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成24年度は、マイクロアレイ法によるインプラント周囲上皮の遺伝子発現プロファイルの作成を目的に、動物実験を中心に行なった。4週齢のS-D系雄性ラットを用いて、インプラントは口蓋正中部に埋入予定であったが、インプラントの脱落率が高いこと、また臨床に近い状況を再現するため、プロトコルの修正をして上顎両側第一臼歯を抜歯し、実験群を左側に直径1.55mm、長さ4mmのチタン合金製インプラントを即時埋入したインプラント周囲組織、対照群を反対側の治癒後の口腔粘膜組織とし抜歯4週後にサンプル採取を行った。これにより実験手技の変更から予備実験が必要となったが、術中の死亡やインプラントの脱落などドロップアウトは少なく、予定通りの進捗でn数が得られた。サンプル採取は、収量を確実に確保するために予備実験ではlaser microdissection法ではなく、実体顕微鏡下にてインプラント周囲上皮及び反対側の抜歯窩治癒後の口腔粘膜上皮を採取した。通報に従って抽出したRNAをAgilent 2100 Bioanalyzerにて計測し、マイクロアレイ法を行うのに十分な量および質を確認されたため、GeneChipマイクロアレイへのHybridizationまで移行的に進めることが出来た。
今後は、定量的RT-PCR法、免疫組織学的染色法による抽出した遺伝子群の発現を検討と、継続的にインプラント埋入長期例のサンプル作製を行っていく予定であり、計画はおおむね順調に進展していると思われる。

今後の研究の推進方策

今後の研究の方策として、H25年度前半は計画通り、マイクロアレイのデータ解析を主としたインプラント周囲上皮の遺伝子発現プロファイルの作成を行なっていく。また、4-NQOを用いた発癌実験においても長期経過が必要であり、さらに4-NQO等の影響により死亡する動物がでることも予想されるので、平行して進めていく予定である。

次年度の研究費の使用計画

次年度はマイクロアレイのデータ解析を主とて行なう為、遺伝子発現解析ソフト(GeneSpring GX)を継続して使用する必要がある。また、4-NQO発癌実験による同定遺伝子発現の比較・同定を行なう為、インプラント周囲上皮の遺伝子発現プロファイルの作成と同様に動物実験としてインプラント埋入を行ない、4-NQO投与と飼育管理施設費が必要となる。必要サンプル数(各群N=20×2=40匹)が必要となるが、4-NQO等の影響により、n数を多く設定する必要がある。同定された遺伝子に対するqRT-PCR、IHC,ISHを行なう機器は整っているが、試薬等の消耗品の購入が必要となる。

  • 研究成果

    (3件)

すべて その他

すべて 学会発表 (3件)

  • [学会発表] マイクロアレイ法を用いたインプラント周囲上皮と口腔粘膜上皮の遺伝子発現の比較検討

    • 著者名/発表者名
      真壁 康, 佐々木 穂高, 守 源太郎, 澁川 義幸, 吉成 正雄, 矢島 安朝
    • 学会等名
      第293回東京歯科大学学会
    • 発表場所
      千葉市
  • [学会発表] マイクロアレイ法を用いたインプラント周囲上皮と口腔粘膜上皮の遺伝子発現の比較検討

    • 著者名/発表者名
      真壁 康, 佐々木 穂高, 守 源太郎, 吉成 正雄, 矢島 安朝
    • 学会等名
      第42回日本口腔インプラント学会・学術大会
    • 発表場所
      大阪市
  • [学会発表] インプラント周囲上皮と付着上皮における遺伝子発現の網羅的解析

    • 著者名/発表者名
      守 源太郎, 佐々木 穂高, 真壁 康, 吉成 正雄, 矢島 安朝
    • 学会等名
      第42回日本口腔インプラント学会・学術大会
    • 発表場所
      大阪市

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公開日: 2014-07-24  

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