研究課題/領域番号 |
24592974
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
尾澤 昌悟 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50323720)
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研究分担者 |
増田 達彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30410583)
吉岡 文 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50468998)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 三次元有限要素解析 / 歯科用インプラント / 適合細分化格子法 / 動的解析 |
研究概要 |
三次元有限要素解析を行う基本モデルの構築を行った.まず歯科用インプラントのCTスキャンを行い,実際のインプラントの寸法を,画像解析ソフト(MIMICS,Materialise社)を用いて計測した.更にその計測値をもとに画像構築ソフト(PATRAN,MSC Software社)を使用して,インプラント体の三次元有限要素モデルを構築した.インプラントを埋入する骨窩洞は,インプラント幅径より僅かに小さい円錐形とし,海綿骨の物性値を与えた.インプラント体は1.05rad/secで回転させながら, 1.3秒間で骨窩洞に埋入した.有限要素解析には詳細な動的解析を行うために,適合細分化格子法を導入して,骨窩洞に埋入する際の動的な応力値をシミュレーションした. 三次元モデルの動的解析の結果,インプラント体が海綿骨内に回転しながら埋入されるに従い,インプラント周囲骨の応力値が徐々に増加した.適合細分化格子法を適用することで,らせん構造を持つインプラントのより詳細な動的解析が可能になった.適合細分化格子法によりメッシュ構造がインプラント周囲において変化し,使用しない場合よりも応力値が上昇した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の初年度においては,三次元有限要素解析の基本モデルの構築が主な計画にしていたので,ほぼ目標に達したと考えている.らせん構造のインプラントのモデル化に際して,市販のインプラントの構造をCTスキャンによりデータ化したが,そのままモデルを構築すると要素数が膨大となり,構造の簡素化が必要となった.そこでらせん構造を保持しながら,インプラントの溝部分のデザインを簡略化することで,動的な三次元有限要素解析が可能なモデルとなるように修正を繰り返した.また,適合細分化格子法を導入することにより,最も応力値が上昇するインプラントと骨の界面における解析を行い,インプラント埋入時の骨への応力値を算出した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては,構築した基本モデルを利用して,インプラント側面の溝構造を変化させ,骨の界面との応力値にどのような変化を生じるかをシミュレーションするとともに,顎骨の物性値を海綿骨だけでなく,皮質骨の構造も想定したモデルを構築して解析を進めていく方針である.また,インプラント使用材料の物性値を実際に計測し,解析条件に加える計画である.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度の研究費は,解析用のコンピュータと解析用ソフトの更新に使用する予定である.また,10月に海外で行われる国際学会での発表および論文発表に関わる経費としても使用する予定である.その他に研究に関わる消耗品の支出や,共同研究者に分担する研究に関わる経費も計上する.
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