研究課題/領域番号 |
24592974
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研究機関 | 愛知学院大学 |
研究代表者 |
尾澤 昌悟 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (50323720)
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研究分担者 |
増田 達彦 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (30410583)
吉岡 文 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50468998)
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キーワード | 歯科用インプラント / 三次元有限要素解析 / 適合細分化格子法 / 動的解析 |
研究概要 |
昨年度作成したインプラントの三次元有限要素解析基本モデルを使用して,インプラント形状を変更したときのインプラント周囲骨に生じる応力の変化について解析を行った.画像構築ソフト(PATRAN,MSC Software社)を使用して,インプラント体の三次元有限要素モデルの形状を変化させ,スクリュウエッジを丸めたものや鋭角なものを作成した.インプラントを埋入する骨窩洞は,インプラント幅径より僅かに小さい円錐形とし,海綿骨の物性値を与えた.インプラント体は1.05rad/secで回転させながら, 1.3秒間で骨窩洞に埋入した.有限要素解析には詳細な動的解析を行うために適合細分化格子法を導入してシミュレーションを行い,骨窩洞に埋入する際の動的な応力値を算出した. 三次元動的解析の結果,インプラント体のエッジの形状が鋭角なものは,丸めたものと比較するとインプラント周囲に高い応力を生じることが確認された.適合細分化格子法を適用することで,複雑な形状を持つインプラントの動的解析が可能になった.インプラント埋入時に歯槽骨に及ぼす影響を,モデル実験にて示すことができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は,初年度に作成した三次元有限要素解析基本モデルを利用して条件設定を変更し,形状変更による解析を行うことができたので,ほぼ目標に達したと考えている.インプラントのらせん構造の部分の形状を変化させて,市販のインプラントの構造をシミュレーションしようとすると,形状が複雑であるため要素数が膨大となり,解析が困難であった.そこで,まずは単純な構造の変化について解析を行った.三次元モデルの動的解析が可能となるように適合細分化格子法を導入することにより,最も応力値が上昇する部位であるインプラントと骨の界面における解析を行い,形状変化が応力に及ぼす影響を算出した.
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究計画としては,顎骨の物性値が現在は海綿骨のみの設定であり,顎骨の構造をより詳細にモデル化するために,皮質骨の構造も想定したモデルを構築して解析を進めていく方針である.また,インプラント使用材料の物性値を実際に計測し,解析条件に加える計画である.解析条件が複雑になるため,効率的な計算方法を模索するために,適合細分化格子法の更なる応用を検討する. また,本研究で使用した三次元有限要素解析モデルを作成するノウハウを生かして,インプラントモデル以外の有限要素解析モデルの解析も進めていく予定である.本年度は最終年度であるために,学会発表および論文発表の準備をすすめて成果を公表する予定である.
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次年度の研究費の使用計画 |
予定していた解析ソフトの更新を行わなかったため,物品費の支出が少なかった. 次年度はソフトの更新や,学会発表等に係る経費として支出する予定である.
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