研究課題/領域番号 |
24592978
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山口 晃史 東北大学, 歯学研究科(研究院), 大学非常勤講師 (10372319)
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キーワード | 顎骨壊死 / ビスフォスフォネート |
研究概要 |
骨吸収抑制薬の bisphosphonates (BPs) は分子内に窒素があるもの (NBPs) とないもの (non-NBPs) があり,作用は NBPs>> non-NBPs である. しかし NBPs は顎骨の骨髄炎,壊死のリスクが高い. 我々は実験から以下を確認した.1 Non-NBPs の clodronate (Clo)とetidronate (Eti ) はNBPsの炎症壊死作用を予防・抑制する.2 NBP sの骨吸収抑制作用をCloは抑制しないが Etiは抑制する.3 Etiはすでに骨に結合した NBPs を除去する.これらより以下を提案する.1 NBPs による炎症壊死を予防し骨吸収抑制作用を利用するため, Clo を NBPs との併用薬にする.2 NBPs 治療患者の顎骨の壊死骨髄炎の予防と治療のため, Eti を NBPs の代用薬にする. 本研究は Eti 治療の有効性を確認し,顎骨壊死の 有効な治療方法を考案を目的とする. 今年度における研究成果としては、日本で認可されている NBP の中でとして最も新しく( 2009年 )骨吸収抑制作用の強い minodronate を高齢マウスの足に注射投与し,炎症 壊死作用により腫脹した足の体積を測る事で、炎症作用の数値化をする事に成功した. これにより炎症の程度を比較し顎骨骨髄炎壊死のリスクを検討することができた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各種 NBPs のうち, 最も炎症効果の強い minodronate を用いて, 高齢マウスの足の体積を測る事で炎症の度合いを極めて明確に測定する事が出来た. また, 組織学的に炎症を検討する事もできた. この事により今後各種 NBPs での検討や NBPs の炎症壊死作用に対するステロイド, コレステロール低下薬 (スタチン類),インシュリン,免疫抑制薬, 非ステロイド性抗炎症薬, 抗酸化薬 (N-acetylcystein)などの効果を調べる事が出来る.
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今後の研究の推進方策 |
各種NBPsについて,その特徴を把握するため,マウスを用いて以下を検討する. EtiをNBPsの代用薬として使用したのち,再び NBPsの治療に戻すことが可能か?:顎骨壊死患者 (骨粗鬆症) でのNBPのEti への切り換 えは前述の様に極めて良好であり,NBP治療への復帰が期待できる.これが可能かどうかを,Etiを投与したマウスでのNBPの骨吸収抑制作用の有効性を調べる. NBPsの炎症壊死作用に対するステロイド,コレステロール低下薬 (スタチン類),インシュリン,免疫抑制薬 ,非ステロイド性抗炎症薬, 抗酸化薬 (N-acetylcystein)などの効果を調べる.
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進した事に伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。 次年度使用額は、今年度の研究を効率的に推進した事に伴い発生した未使用額であり、平成26年度請求額と合わせ、平成26年度の研究遂行に使用する予定である。
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