今後の研究の推進方策 |
口腔癌に類似した腫瘍形成を示す新規癌幹細胞の表現型の同定をSCIDマウスからSCIDマウスへの移植実験で試み,その口腔癌幹細胞がSnail分子を発現していることを明らかにする.すなわち,作製したSnail分子を強発現する口腔癌細胞株を各種組織幹細胞マーカー(CD10, CD24, CD31, CD34, CD90, CD133, CD150, Sca-1, Integrin, ESAなど)でフローサイトメトリーを行い,詳細な表現型の細胞群に選別し,細胞群をSCIDマウスの背部皮下に移植する.3か月後に移植部の組織切片を作製し,in vivoにおける口腔癌に類似した腫瘍が形成されるか否かを検討する.さらに,形成された腫瘍が口腔癌に類似していれば,再度移植部の腫瘍組織を細胞に分散させ,移植前の細胞群を選別し,別のSCIDマウスの背部皮下に移植し,口腔癌に類似した腫瘍形成能を検討する.以上により,ヒト口腔癌の癌幹細胞はSnailを発現し,癌幹細胞の残存と腫瘍再発の関係を詳細に検討する予定である.
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