研究課題/領域番号 |
24592980
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
山縣 憲司 筑波大学, 医学医療系, 講師 (00420084)
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研究分担者 |
大根田 修 筑波大学, 医学医療系, 教授 (30311872)
長野 真澄 筑波大学, 医学医療系, 助教 (30436282)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 間葉系幹細胞 / 細胞表面マーカー / 骨分化能 / 自家移植 |
研究概要 |
顎口腔外科領域ではインプラント治療・顎骨再建などで、骨が欠損している部位に骨移植を行うことがある。現在では、自家骨や人工骨などを使用するが、自家骨においては採取量に限界がある。人工骨では生体適合性や骨への置換性等に問題点があり、加えて人工骨が吸収されてしまう危険性および易感染性等、多くの欠点を有している。以上のことから、ヒトの顎骨再生を効率的に行うために、骨分化能の高い間葉系幹細胞を用いた侵襲の少ない効率的な新しい骨再生法の導入が早急な課題である。 智歯は智歯周囲炎、矯正治療などのために抜歯される機会が多く、抜去歯は処分され医療廃棄物となる。歯髄は間葉系幹細胞を含み、自家移植のソースとして大いに注目され、特に智歯は検体数も多く適した材料である。しかし、採取した間葉系幹細胞は単一の細胞集団とは言い難く、細胞治療を行う際により機能的な間葉系幹細胞の単離および同定が求められる。歯髄由来間葉系幹細胞は骨、軟骨、脂肪などの間葉系細胞への分化をはじめ、さまざまな分化能を有していることが報告されている。さらに高い骨分化能を有する歯髄由来MSCの単離および同定のためのマーカーを開発することにより、効率よく顎骨の再生を行える可能性が期待される。 歯冠完成期、歯根形成期、歯根完成期の智歯の歯髄組織からCD349を指標にして間葉系幹細胞を分離・培養した。それぞれの細胞増殖能・骨分化能をin vitro分化法とマウス骨折モデルを用いて解析を行い、歯冠完成期とその他の時期の歯髄では間葉系幹細胞の性質に差異があることを明らかにした。現在、細胞増殖能・骨分化能に優れた「歯髄組織由来間葉系幹細胞」の遺伝子発現をPCR法・マイクロアレイ法にて解析し、細胞増殖能・骨分化能を高める因子群の探索を行っている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
歯冠完成期の症例数が少ないが、歯髄組織からの細胞培養・細胞群の分離、骨分化能の検討など順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
歯冠完成期、歯根形成期、歯根完成期の歯髄組織より細胞を分離し、CD349をマーカーとして陽性・陰性群に分離し、マウス骨折モデルを用いてin vivoでの骨形成能を検討する。歯の形成期、CD349を指標にして分離された、細胞増殖能・骨分化能の異なる細胞よりRNAを抽出し、マイクロアレイ法を用いて遺伝子発現解析を行う。マイクロアレイの知見をもとに、骨形成能に重要と思われる遺伝子を細胞に導入し、骨分化に適した歯髄由来間葉系幹細胞を得る。
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次年度の研究費の使用計画 |
該当なし
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