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2013 年度 実施状況報告書

骨分化能の高い歯髄由来間葉系幹細胞の単離・同定と効率的な顎骨再生への応用

研究課題

研究課題/領域番号 24592980
研究機関筑波大学

研究代表者

山縣 憲司  筑波大学, 医学医療系, 講師 (00420084)

研究分担者 大根田 修  筑波大学, 医学医療系, 教授 (30311872)
長野 真澄  筑波大学, 医学医療系, 助教 (30436282)
キーワード間葉系幹細胞 / 細胞表面マーカー / 骨分化能 / 自家移植
研究概要

当初目的としていたALDH活性による細胞分離は、ALDH酵素活性が低く、細胞分離が困難であった。そこで歯冠完成期、歯根形成期、歯根完成期の智歯の根尖組織の3群を比較し、骨形成能に優れたMSCの同定を行なった。
歯根形成期・歯根完成期の歯根由来細胞群が骨形成能に優れていることをin vitroの骨分化法・in vivoのマウス骨折モデルにて明らかにした。アリザリンレッド染色法と吸光度測定による定量評価により、骨分化能を測定した。歯根形成期・歯根完成期群は、歯冠完成期群と比較して有意に高い骨分化能を示すことが分かった。In vitroにおける骨分化能解析の結果、群間で顕著な差が認められた。次に、RT-PCR法により分化誘導前後の骨分化関連遺伝子の発現を比較解析した。骨分化は主要転写因子Runx2によって制御されている。Runx2は骨分化初期から中期まで促進的に、中期から後期には抑制的に作用することが報告されている。また、Col1, OPN, OCはRunx2の標的遺伝子であり、それぞれ分化初期、中期、後期の骨分化マーカー遺伝子とされている。歯根形成期・歯冠完成期群では、骨分化誘導後にRunx2、OCの発現が上昇したのに対し、歯冠完成期群では分化誘導前から高い発現を示し、誘導後に発現が減少した。また、いずれの群においても、分化誘導後にALPの発現が有意に上昇したが、歯冠完成期群の発現上昇は歯根形成期・歯冠完成期群より低かった。
以上の結果から、分化誘導前に高い発現を示したRunx2の発現が、歯冠完成期群の骨分化を抑制している可能性が示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

歯冠完成期の症例数が少ないが、歯髄組織から細胞培養・細胞群の分離、骨分化能の検討など順調に進んでいる。

今後の研究の推進方策

本研究により、組織の発生段階に応じて、幹細胞治療に用いる可能性について、詳細に解析行なう必要性が明らかとなった。今後、関連原因因子の同定を行なうことにより、幹細胞治療法の確立に向けた研究を推進する。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2014

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] The role of CCL5 in the ability of adipose tissue-derived mesenchymal stem cells to support repair of ischemic regions.2014

    • 著者名/発表者名
      Kimura K, Nagano M, Salazar G, Yamashita T, Tsuboi I, Mishima H, Matsushita S, Sato F, Yamagata K, Ohneda O.
    • 雑誌名

      Stem Cells Dev.

      巻: 23(5) ページ: 488-501

    • DOI

      10.1089/scd.2013.0307

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2015-05-28  

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