研究課題/領域番号 |
24592984
|
研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
藤村 和磨 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 非常勤講師 (30252399)
|
研究分担者 |
園部 純也 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (50464219)
別所 和久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90229138)
|
キーワード | 粘膜修復 |
研究概要 |
1. LYDEXの線維芽細胞誘導因子FGF-2のドラッグデリバリーシステムとしての有用性と 粘膜欠損修復過程の促進の検討(実験2;口腔粘膜保護剤として使用した場合,FGF-2を使用することにより,皮膚におけるフィブラスト®7-8)と同様の効果で修復能力を向上できることを確認する生物検定): LYDEXを口腔粘膜保護剤として使用する場合に、FGF-2を加えることにより,修復能力を向上できることを調べた。LYDEXにFGF-2を混合(100µg/ml LYDEX)し、ラット舌下面粘膜欠損部に充填して硬化させた。充填1週間後の組織では、コントロールに比べて明らかに正常粘膜組織からの繊維が細胞の増殖が観られた。しかし、これまでの研究経験とこの実験1では、粘膜欠損の修復効果は確認できているが、口腔は可動しているため、LYDEXが容易に剥がれ落ちてしまい、本年度の実験2では、検定可能な動物数での組織標本から粘膜増殖量の定量的評価を行うことができなかった。そのため、実験3で計画していた骨欠損に充填する方法に変更した。 下顎前歯と臼歯の間の歯肉粘膜上からラウンドバーにて直接に粘膜と骨組織欠損を作り、その欠損部に同じLYDEXを充填した。骨形成は3週間後に形成がみられるが、粘膜増殖は3日後から観られ、約1週間後では周囲より旺盛な増殖が観られた。一方、コントロールでも約1週間後では粘膜の増殖が観られるが、LYDEXに比べて明らかに修復速度が遅かった。現在標本数を集めてその修復速度の定量を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね順調であるが、FGFによる粘膜欠損の修復実験では、LYDEXの脱落が多く観られ、実験計画の変更を余儀なくされた。そのため、実験2では実験3の方法を用いて行うことになった。
|
今後の研究の推進方策 |
本年度の実験2では、LYDEXが剥がれるケースが多くあり、実験3で計画していた骨欠損モデルを用いて、骨欠損修復と同時に粘膜修復も評価するデザインに変更した。
|
次年度の研究費の使用計画 |
実験2では実験モデルの不備により、当該年度の全実験を遂行することができなかったため。 実験3のデザインを一部変更を行い実験2を続行する。
|