研究課題/領域番号 |
24592985
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
家森 正志 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90402916)
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研究分担者 |
別所 和久 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (90229138)
高橋 克 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (90314202)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2014-03-31
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キーワード | 歯学 |
研究概要 |
滋賀県長浜市「ながはま0次予防コホート事業」においておよそ1万人の市民集団を対象とした健診において歯科検診、咀嚼能率検査およびほか血液検査、身体計測を受けた30歳~74歳を対象として咀嚼能率検査はロッテ社製キシリトールガム咀嚼力判定用Ⓡを用いて咀嚼させ、変化したガムの色を測色計で検査、算出値と咀嚼前の色値の変化(色差)を定量化した。男女共に咀嚼能率が高くなるほど、糖尿病のリスクは減少した 。咀嚼能率および糖尿病に関連すると考えられる要因を調整してもなお、男性においては、咀嚼能力が高くなると糖尿病のリスクは軽減していた。咀嚼習慣の点では、男性において噛む速さが早くなるほど、糖尿病のリスクが減少した 。この結果については、PLOS ONEに投稿し掲載予定である。咀嚼能力が糖尿病のリスクと関連していることが考えられたことから、インスリン抵抗性について検討した。今回は「ながはま0次予防コホート事業」において糖尿病でない患者を対象としてインスリン抵抗性指数(HOMA-IR)は空腹時インスリン値(μU/ml)×空腹時血糖値(mg/dl)÷405を用いて検討した。主要解析方法としてインスリン抵抗性指数を目的変数、咀嚼能率を主要説明変数とし、他調整因子を説明変数として投入し、多変量解析を行ったところ、若年者については咀嚼能率が低いものではインスリン抵抗性が高かったが、高齢者では、そのような関係は認めなかった。若年者では、咀嚼能率の低下がインスリン抵抗性と関連している可能性が考えられた。また、高齢者では咀嚼能率の低下に伴ってすでに糖尿病になっている可能性が考えられた。上記の疫学研究は横断研究で、因果関係を明らかにするために、基礎研究および臨床研究を継続する必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
臨床研究については大規模疫学研究については論文投稿を行っている。臨床研究については、ほぼ本研究での目的をすでに達成されている。インスリン抵抗性との関係についての論文は現在作成中である。本研究では基礎研究や人を対象とした研究を含んでおり、その部分につては、研究途中であり、今後の継続した研究が必要である。
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今後の研究の推進方策 |
臨床研究における咀嚼とインスリン抵抗性との関連は明らかになりつつある。そういった関連を、論理的に説明できるように今後は基礎研究により、検証する予定である。さらに多くのエフォートを割いて、本研究の目的を達成することを目指す。またその成果を発表していく予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
次年度使用額(B-A)は1481円である。1,481円は、次年度に行う免疫染色などの基礎実験の消耗品の一部として使用します。
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