研究課題/領域番号 |
24592990
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
松井 義郎 香川大学, 医学部, 教授 (10181687)
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研究分担者 |
小谷 一孔 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 准教授 (20225452)
三宅 実 香川大学, 医学部, 准教授 (20239370)
三木 武寛 香川大学, 医学部附属病院, 大学院生 (20625181)
党 建武 北陸先端科学技術大学院大学, 情報科学研究科, 教授 (80334796)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | バーチャルリアリティ / 舌癌 |
研究概要 |
今年度よりわれわれは、バーチャルリアリティと生理学的計算モデルを組み合わせた舌部分切除術の訓練システムを開発している。 まず第一に、舌癌に対する舌部分切除術の手術動画や、舌を中心とした顎口腔領域の解剖学的構造に関する資料の収集を行った。次に、口腔外科が専門外である研究者に対し舌癌を具体的に示すため、硬さの異なるシリコン素材を用いた舌癌模型を作製した。また、これまでにわれわれが開発した「バーチャルリアリティによる内視鏡支援下口腔外科手術訓練システム」を用いて、口腔外科医や学生を対象に同システムの反復訓練を施行し、われわれの開発したバーチャルリアリティ訓練システムにより、被験者の手術技術が有意に向上することを証明した。 上記のデータを持ち寄り、プロトタイプ舌部分切除術シミュレーションの作製計画に取り掛かった。平成24年10月5日に、協力企業である日本バイナリー株式会社にて、これまでの研究データを紹介し、今後作製する舌部分切除術訓練システムの有用性や研究の道筋について検討した。平成25年2月13日に、香川大学医学部にて研究分担者に対し、動画を用いて舌部分切除術の専門的な解説を行った。その上で、今回のシステムに用いるバーチャルリアリティの構造や使用するデバイス、また、新たに導入する触覚センサーについても専門的な意見を持ち寄り、プロトタイプの基本構造を決定した。 現在、これまで検討した内容を基にプロトタイプ舌部分切除術シミュレーションの作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来、平成24年度中にプロトタイプの完成を予定していたが、計画段階で挙げられた様々な機能(触覚センサーや仮想モデルの三次元化など)を取り入れるに従い、これまでに開発したバーチャルリアリティシミュレーションに比べ、要領が極端に大きいものとなり、現時点で未だ製作中である。 しかしながら、これらの機能を取り入れることは、優れた手術手技訓練システムを構築するために必要不可欠な課題であり、初期段階で十分な製作期間を持つことにより、より現実的なシミュレーションを開発できると考える。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年5月までに、プロトタイプ舌部分切除術シミュレーションを研究協力企業とともに完成させる。完成したソフトウェアを香川大学に導入し、実際に操作することで、操作方法や仮想モデルの基となる計算式を調整し、より現実的な動作が可能となるように詳細な設定を行う。 次に、実際に舌部分切除術を経験した口腔外科医にシミュレーションを体験させ、同シミュレーションの再現性、または欠点についてアンケート調査を行い、その意見を基にシステムを改善し、経験者の満足を得られる状態を目指す。 最後に、完成したシミュレーションの有用性を証明するため、舌部分切除術未経験の口腔外科医を対象とした同シミュレーションの反復操作を行い、シミュレーション未使用者との技術向上度合いについて比較する。
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次年度の研究費の使用計画 |
プロトタイプ舌部分切除術シミュレーションのソフトウェア納入時に2,100,00円支払い予定である。 また、研究成果を平成25年10月21~25日にスペインで開催される2013国際口腔外科学会において発表予定であり、その際の旅費に使用予定である。
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