研究課題/領域番号 |
24592996
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研究機関 | 大阪医科大学 |
研究代表者 |
平田 あずみ 大阪医科大学, 医学部, 助教 (40263587)
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研究分担者 |
植野 高章 大阪医科大学, 医学部, 教授 (60252996)
松村 達志 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 助教 (70432648)
井村 英人 愛知学院大学, 歯学部, 非常勤講師 (10513187)
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キーワード | セロトニン / セロトニンレセプター / セロトニントランスポーター / 歯 / 歯周組織 / 国際研究者交流 / フランス |
研究概要 |
セロトニンレセプターには数種のサブタイプが存在するが、本研究において特にターゲットとしているセロトニンレセプター2B(5-HT2BR)の歯の形成過程における局在について、市販の抗体および新しく作製した自作の抗体数種を用いて追加検討を行った。しかしながら、組織学的に良好な反応性を得ることができなかった。セロトニンレセプターに対する抗体選定には、これまでにかなりの費用と時間を費やしており、セロトニンレセプター自体に対する免疫組織学的検討はこれ以上継続することはやめ、一時中止することと判断した。一方、セロトニントランスポーターについては、歯冠形成期エナメル芽細胞、歯根形成期Malassez上皮遺残およびHertwig上皮鞘にその局在が観察されたことから、下顎臼歯部器官培養系およびビーズ埋入in vivoモデルマウスの作製と解析により、歯・歯周組織形成へのセロトニン‐セロトニントランスポーターの関与を検討することとした。下顎臼歯部器官培養実験では、培養組織像が比較的安定しており、かつ培養後早期における細胞の反応が観察可能な時期であると判断し、培養開始時、培養24時間後、培養48時間後に試料を採取し検討している。モデルマウス作製については炎症反応を極力避けるためビーズの埋入方法を数種検討し、臼歯抜歯窩あるいは臼歯歯髄腔内にビーズを埋入する方法を採用している。試料採取は抜歯窩あるいは歯髄腔へのビーズ埋入数日後にそれぞれ行い、周囲細胞組織の増殖・分化への影響について検討を進めているところである。また、昨年度、セロトニントランスポーターのマウス二次口蓋形成過程における局在について学会報告を行ったが、これを発展させる目的で、セロトニン代謝との関連性が報告されているテネイシンに着目し、その口蓋形成過程における局在について学会にて報告した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
①マウス下顎臼歯部器官培養実験がほぼ安定して行えるようになり、試料採取のタイミングが決定できた。 ②ビーズ埋入モデルマウスの作製法が確立でき、実験系として稼働させ、応用できるようになった。 ③5-HT2BRに対する抗体は残念ながら入手できなかったが、セロトニントランスポーターについての免疫組織学的検討は良好な結果を得ることができている。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度の研究代表者の所属機関変更に伴い、研究実施環境の整備について再検討したところ、申請時に予定していた備品購入の必要性がなくなったため、未使用額が生じている。未使用額と次年度の研究費とを合わせ、下記に使用する予定である。 ①器官培養に用いるマウス、試薬等 ②モデルマウス作製のためのマウス、ビーズ、試薬等 ③採取した試料の処理を行うための機器等の購入 器官培養実験あるいはビーズ埋入モデルマウス作製により採取した試料を用いて、免疫組織化学的検討とともに生化学的手法により増殖分化タンパクの検出を行う。本研究の成果を発表する。
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次年度の研究費の使用計画 |
①採取試料の処理を行う機器の購入を予定していたが、消費税増税の影響で品薄となり、年度内の購入ができなかった。 ②海外共同研究機関であるパリ第5大学での研究実施が延期となった。 ①採取試料の処理を行う機器の購入 ②海外共同研究機関 パリ第5大学での研究実施を予定している。
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