研究課題/領域番号 |
24592997
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 京都府立医科大学 |
研究代表者 |
金村 成智 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70204542)
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研究分担者 |
雨宮 傑 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (90398389)
山本 俊郎 京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (40347472)
山本 健太 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (00636160)
足立 哲也 京都府立医科大学, 医学部附属病院, 研究員 (10613573)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 移植・再生医療 / 再生医学 / 細胞・組織 / 歯学 / 臨床 |
研究概要 |
近年、in vitroにて骨膜由来細胞を培養・増殖させ、in vivoへ移植し戻す方法で、有意に歯周組織(歯槽骨)の再生が観察されるとの報告を散見する。そこで、われわれは骨膜由来細胞の培養に適当な基質を用いることが重要と考え、生物学的材料として様々な医療領域分野で注目されている羊膜を用いることに着想した。今回、われわれは移植可能な培養骨膜由来細胞シートの開発を念頭に、羊膜を基質とした骨膜由来細胞の培養を試みた。なお本研究は、京都府立医科大学倫理審査委員会の許可を得た上で行った(受付番号C-1038)。 羊膜は、帝王切開時の胎盤より採取したもの、および再生医療支援機構・近畿羊膜バンクからの研究用羊膜の譲渡・供給を受け、研究に供した。骨膜組織は、埋伏智歯抜歯術や歯周病患者における歯周外科手術時の粘膜骨膜弁作製時に、歯槽骨上にある組織を骨膜組織として採取した。得られた骨膜片を直ちに抗菌薬を添加したPBS(-)にて洗浄後、初代培養細胞を得るための培養を行った。培養液は、感染症フリーの10%のウシ胎仔血清(FBS)および抗菌薬を添加した標準的な細胞培養液を用いて行った。3~4 継代培養後、得られた骨膜由来細胞を、羊膜上に播種・培養し、羊膜上培養骨膜由来細胞シート作成のために最適な培養技術の改良および調整を行っている。また、上記にて得られた羊膜上培養骨膜由来細胞シートの性状について、組織学的ならびに免疫組織化学的検討を加えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各種口腔外科手術時の粘膜骨膜弁作製時に、歯槽骨上にある組織を骨膜組織として採取し、得られた骨膜片を洗浄後、初代培養細胞を得るために培養を行った。しかしながら、骨膜組織より初代培養細胞を得る培養過程においてのコンタミネーションや、骨膜由来細胞の継代培養時に安定した細胞増殖が得られず、当該研究に必要となる骨膜由来細胞の獲得に時間を要したため、達成度に遅れが生じてしまった。
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今後の研究の推進方策 |
今後の研究の推進方策として、骨膜片からの初代培養細胞を得るために培養方法、ならびに継代培養方法の最適化を行い、安定した骨膜由来細胞の獲得する手法の確立する。そして、得られた骨膜由来細胞を、われわれが確立した羊膜上の細胞培養系を用いて羊膜上骨膜由来細胞シート作製を行う。そして、得られた羊膜上培養骨膜由来細胞シートに対して、以下の項目にて検討を行う予定である。 1.組織学的検討:ヘマトキシリン-エオジン染色、ALP染色等にて、細胞形態等について組織学的に検討する。 2.免疫組織学的検討:骨膜由来細胞の羊膜上における細胞増殖能および細胞間接着装置の検索、ならびに培養細胞-基質(羊膜)間の接着(基底膜)についての検索を行う。すなわち、細胞増殖マーカー、デスモゾーム構成タンパクおよびタイト結合構成タンパクの局在について蛍光抗体染色法を用いて検討する。また、基底膜構成成分の局在についても基底膜構成細胞接着タンパク、基底膜構成コラーゲンにて検討を加える。また、骨膜には骨芽細胞や骨細胞へ分化する能力をもつ細胞が含まれているとされる。細胞シートにおいても骨芽細胞が産生する各種タンパクの局在についても検討を加える。 続いて、羊膜上培養骨膜由来細胞シートの移植および経時的動態の検討を加える。すなわち、作製した培養シートを実験動物への移植を行い、細胞の遊走増殖を経時的に観察し組織学的、免疫学的検討を行う。具体的に、培養シートを羊膜ごと腎皮膜下への移植行い、移植後における培養シートの経時的変化を組織学的・免疫組織化学的に評価する 上記にて得られた研究データを基に、羊膜上培養骨膜由来細胞シート作製の培養技術に改良を加え、あらゆる患者の骨膜由来細胞に対応した培養方法の確立だけでなく、常に均質な性質を持った臨床応用可能な培養骨膜由来細胞シートを作製するシステムを構築する予定である。
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次年度の研究費の使用計画 |
骨膜片からの初代培養細胞を得るために培養方法、ならびに継代培養方法の最適化を行い、骨膜由来細胞を獲得する。作製された培養シートに対し、 組織学的検討として、ヘマトキシリン-エオジン染色、ALP染色等を行い、細胞形態等について組織学的に検討する。また免疫組織学的検討として、細胞増殖マーカー(Ki-67)、デスモゾーム構成タンパク(Desmoplakin)およびタイト結合構成タンパク(ZO-1)の局在について蛍光抗体染色法を用いて検討する。また、基底膜構成成分の局在についても基底膜構成細胞接着タンパク(Laminin 5/10)、基底膜構成コラーゲン(Type IV/VII collagen)にて検討を加える。骨芽細胞の分化初期に形成されるtype I collagenの局在ならびに、骨芽細胞が産生するタンパクであるosteocalcin、osteopontin、bone sialoproteinの局在についても検討を加える予定である。
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