研究課題/領域番号 |
24592999
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
藤田 茂之 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (50228996)
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研究分担者 |
東條 格 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70405439)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 顎関節 / 性ホルモン |
研究概要 |
顎関節症は、滑膜組織に炎症が起こり、さらに重症化すると、関節円板本体の転位・変形・変性・穿孔と関節円板に続く円板後部結合組織や滑膜変性・線維化、癒着が認められるが、その病態の詳細な解明は未だなされていない。 一方、顎関節症の発生頻度の性差については女性が男性の約2倍から9倍と様々な報告があり、いずれの報告においても女性患者が有意に多いとされている。その中で、性ホルモンの関係が示唆されており、エストロゲンと顎関節症の炎症については、多く研究されている。しかし、性ホルモンの前駆体であるDHEA(Dehydroepiandrosterone)やテストステロンの顎関節部における効果を検討しているものは数少ない。 今回我々は、滑膜組織の肥厚、線維化について着目し、ヒトの培養した滑膜線維芽細胞に、DHEAを1-100μMを添加し、αSMA、collagenI、MMP1等についてmRNAの発現量をPT-PCR、ウエスタンブロッティングを用い検討した。結果αSMA、collagenIのmRNAの発現量の減少が認められ、DHEAが顎関節部の線維化の抑制に関与する可能性があることが示唆された。 これにより、将来、性ホルモンの顎関節部位での作用、線維化、癒着機序の解明、また外傷後の顎関節強直症の機序の解明、そして性ホルモン受容体に働きかけるリガンドの検索を通して、顎関節部の線維化、癒着による開口障害を改善できる可能性がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
顎関節滑膜細胞の培養は、問題なく進行できている。また、性ホルモンの検討ついて、RT-PCRにて、mRNAの検討をしているが、性ホルモン添加群とコントロール群では、差が出ており概ね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
①ヒト顎関節滑膜および、関節円板細胞の培養実験にて、テストステロン、DHEA、エストロゲンの濃度(妊娠前期血漿濃度、妊娠期の血漿濃度、閉経期血漿濃度等)を変え、IL-1の添加を行い、TNFα、αSMA、TGFβ、RANKL、OPG、MMP、collagen1の解析 ②顎関節内障の臨床病態と培養実験の相関性の解析 顎関節内障の臨床データおよび摘出標本の免疫組織学的研究と、培養実験結果の相関性を分析し、性ホルモンが顎関節内障にどのように作用しているかを分析し、新しい顎関節内障の治療法の解析に結びつける。
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次年度の研究費の使用計画 |
ヒト顎関節滑膜および、関節円板細胞の培養実験にて、テストステロン、DHEA、エストロゲンの濃度(妊娠前期血漿濃度、妊娠期の血漿濃度、閉経期血漿濃度等)を変え、IL-1の添加を行い、TNFα、αSMA、TGFβ、RANKL、OPG、MMP、collagen1の解析 ①手術により摘出したヒトの顎関節内障害の滑膜組織および、関節円盤組織の一部を処理、10%FBS添加DMEMを用い、5%CO2にて培養、継代し、滑膜芽細胞を増殖させ、培養実験に使用する。培養条件は、細胞を24H無血清培養液で培養後、IL1β、エストロゲン、テストステロン、DHEAの濃度を変え添加し、12H、24H、72H培養を行う。 ③RT-PCRを用い、培養細胞よりTotalRNAを抽出し、cDNAを合成、TNFα、αSMA、TGFβ、RANKL、OPG、MMP、collagen1の発現を解析する ④ウェスタンブロッテイングによる蛋白の解析:培養終了後、培養細胞より蛋白を抽出し、TNFα、αSMA、TGFβ、RANKL、OPG、MMP、collagen1の蛋白発現の解析する。
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