研究課題/領域番号 |
24593001
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研究種目 |
基盤研究(C)
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研究機関 | 北海道医療大学 |
研究代表者 |
淀川 慎太郎 北海道医療大学, 歯学部, 助教 (60433439)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | HOX遺伝子群 / ヒト歯髄由来幹細胞 / 分化誘導 |
研究概要 |
本研究はヒト歯髄細胞から幹細胞を分離し1.形態形成調節遺伝子HOX遺伝子群の発現パターン解析を行うこと、2.HOX遺伝子群の発現制御を行いヒト由来歯髄細胞を任意の組織・臓器に分化誘導することを目的としている。平成24年度は幹細胞の分化メカニズムの解析に重点を置き、HOX遺伝子群の発現パターン解析を中心に以下の研究計画を立案していた。 i) 歯髄から幹細胞採取:抜去歯牙より無菌的環境下で歯髄を採取、細胞培養液中に移しneurospere法にならい培養する。(ii) 幹細胞の分離・純化:培養細胞を凍結保存し、フローサイトメトリーで幹細胞の純化を行なう。 (iii) リアルタイムPCRを用いた歯髄由来幹細胞のHOX遺伝子群発現解析:HOX39遺伝子および他のホメオボックス遺伝子群についてヒト歯髄由来幹細胞の発現 パターンの解析を行う。※乳歯・永久歯間、前歯・臼歯間での発現パターン比較も行なう。 (iv) リアルタイムPCRを用いた造血幹細胞、間葉系幹細胞のHOX遺伝子群発現解析を行なう。(v) リアルタイム PCRを用いた正常組織(臨床サンプル、cell line)のHOX遺伝子群発現解析を行なう。(iv)(v) の結果と(iii)の 結果とを比較検討する。 しかし、過去に報告のあるneurospere法に倣い幹細胞の純化を試みたが、歯髄採取サンプルのロット間で無視しがたいデータ(HOX遺伝子群の発現パターン)のばらつきが認められた。そのため、歯髄からの幹細胞培養の手法の再考・改善に多くの時間をとられ当該年度での目的を達しているとは言い難い状況である。一部のロットでは、非常に興味あるデータが得られているものの、正確な評価であると判断出来ず、前述したように幹細胞採取の方法を改善して再評価を急いでいる(現在1-i~iii、vの一部について遂行)。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
neurospere法に倣い幹細胞の純化を試みたが、歯髄採取サンプルのロット間で無視しがたいデータ(HOX遺伝子群の発現パターン)のばらつきが存在し、幹細胞培養の方法によるものなのか、採取したサンプル間(永久歯、乳歯等の)の違いによるものなのか、予定していた幹細胞採取するサンプル数(歯牙の数)を増やし再検討している。これにより当初の予定が大きくずれ込んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
前述した問題解決の方策としてサンプル数を増加すること、幹細胞採取の方法の改修と評価を引き続き行なうことと、それに平行してコマーシャルベースの歯髄由来幹細胞を購入してHOX遺伝子群の発現解析、分化誘導を行なう。 また前年度の遅れを解消するために北海道大学遺伝子病研究所幹細胞生物学分野浜田淳一准教授の協力を得て遂行にあたる。また助言として、進捗状況の改善のため可能なものは外注(実験委託)も行う。
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次年度の研究費の使用計画 |
実験が初期の段階で遅延しているために既存の実験器具、薬品、消耗品で間に合っているが、計画の遅延を解消するため、コマーシャルベースのヒト歯髄由来幹細胞の使用や、HOX遺伝子群発現解析、その結果からHOX遺伝子強制発現の実験で使うベクター作製、ペプチドアレイ等を業者委託、テクニシャンの雇い入れ等に使用することを考えている。また、本年度中に学会報告、論文提出を計画している。
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