本研究はヒト歯髄から幹細胞を分離し、①形態形成調節遺伝子HOX遺伝子群の発現パターン解析、②HOX遺伝子群の発現を制御しヒト歯髄由来幹細胞を任意の組織・臓器に分化誘導することを目的としていた。研究に大きな遅延が生じ研究期間を延長していた。これまで行った、歯髄幹細胞のmRNAにコンタミネーションが疑われ、再度コマーシャルベースの歯髄幹細胞を用い検証を行った。また、正常な各臓器のHOX発現パターン解析を行い歯髄由来幹細胞との発現パターンを比較した。ヒト歯髄由来幹細胞の培養だが、サンプル採取から安定した継代培養の培養条件がシビアで研究助言者の指摘で純粋なる幹細胞(ES)であるという証明に時間を要した。また、ベクターによるHOX遺伝子の操作を試みたが、思うような成果、分化誘導は得られなかった。
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