難治性口腔粘膜角化病変発症の原因を、加齢に伴う抗酸化作用の低下と、酸化損傷分子の蓄積による酸化ストレスの影響に注目し検討した。その結果、対象者の血液、尿それぞれの抗酸化物質、酸化ストレスマーカーの測定値と年齢との間に相関関係は認めなかったが、健常者との間に尿酸、SOD活性(Superoxide dismutase)、ビタミンCの値に差を認めた。酵素抗体法を利用した研究では、病変内のタンパクにカルボニル化が確認され、その基底細胞層には、脂質酸化ストレスマーカーの発現も認めた。これらの局所的酸化損傷を表す結果から、口腔粘膜角化病変への分子生物学的影響を強く肯定できる可能性が示唆された。
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