研究課題
我々はこれまで、平成17年度から2年間、科学研究費(課題番号17791497)によって循環血清中の多くのfree DNA、中でも、腫瘍細胞のfree DNAの特定に成功し、再発・転移の早期診断や治療の効果判定に役立てている。その成果は海外論文でも発表し、学会学術奨励賞など高い評価を得た。現在までに行われた口腔扁平上皮癌におけるヘテロ接合性消失(LOH)に関する研究から、多くのマイクロサテライト領域が判明している。このLOHの局在情報を癌細胞の指紋と考え、循環血清中の腫瘍free DNAの検出を行う研究を可能とした。さらに、平成20年度から2年間、科学研究費(課題番号20791549)によって口腔扁平上皮癌患者から抽出したDNAを用い、DNAマッピングアレイ解析を用いた全ゲノム上のLOHとコピー数異常の有無を検索し、その結果、数百~数千の口腔癌に関与する新規未知癌抑制遺伝子座位が一度に同定することが可能となった。この研究はこれまで行われてきたゲノム解析とは想像を遥かに超えるほどの情報量が得られ、新探索方法として確実に実績が上げられ、これも海外論文で発表し大きな成果をあげた。また、日本口腔外科学会の学術奨励賞も受賞し高い評価を得た。平成22年度から2年間、科学研究費(課題番号22792017)においても口腔癌のマッピングアレイを用いた全染色体上の構造異常をLOHの有無を検索し、新規未知癌抑制遺伝子座位を同定することを明らかにした。そこで、今回はさらに発展させ、口腔扁平上皮癌患者から抽出したDNAならびにmRNAを用い、全ゲノム上のゲノムコピー数異常の解析ならびに同座位に存在する転移関連遺伝子候補をリストアップし、候補遺伝子のmRNA発現状況を定量的Real-time PCR法により検証し、その結果、多くの遺伝子が口腔癌において特異的な発現状態であることが判明した。。
1: 当初の計画以上に進展している
海外論文発表や学会発表で多数成果をあげている。
今後は研究成果を学会発表・論文発表の形で推進していく。
口腔癌患者から採取した正常組織と腫瘍組織検体から抽出したDNAから、マッピングアレイ解析がすでに終了し、mRNA発現状況を定量的Real-time PCR解析も予定より早い計画で完了したため。論文作成費と成果発表旅費のために使用する予定である。
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (11件)
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